お茶の間でのサッカー視聴方法が、ターニングポイントを迎えた。ワールドカップ(W杯)カタール大会に向けた今回のアジア最終予選から、日本のアウェー戦は、国内で地上波での放送が消滅した。スポーツ専門配信サービス、DAZN(ダゾーン)による独占配信となり、7日(日本時間8日未明)の日本の第2戦、中国戦(カタール・ドーハ)で、ついに、その瞬間がやってくる。“黒船”襲来なのか-。地上波テレビ局の関係者にも、聞いた。

 ◇   ◇   ◇

98年のフランス大会から6大会連続でW杯に出場している日本だが、これまではW杯出場の瞬間はすべて、地上波で放送されてきた。アウェー戦がDAZN独占配信となり、今回は決定の瞬間は、DAZNの配信のみとなる可能性もある。スポーツ中継に携わるあるテレビ局のスタッフは、放送権の高騰を挙げ「W杯を含めて、放送すればするだけ赤字になる」と嘆く。

DAZNは映像出力機器や、アプリを利用すれば、お茶の間のテレビの地上波で視聴可能。同スタッフは「日本の地上波の優位性はなくなっている。お手上げ」とも言う。

W杯を主催する国際サッカー連盟(FIFA)や、今回の最終予選、アジア杯などを主催するアジア・サッカー連盟(AFC)は、配信サービスにも放映権を売ることで、収入が増える。テレビ局の関係者は「今後はW杯本大会も、地上波でなくDAZNなどの配信サービスで中継される可能性もある」と、予想している。

【関連記事】森保ジャパン-中国/W杯最終予選ライブ速報