日本(FIFAランキング24位)がB組第2戦で中国(同71位)に1-0で勝った。新型コロナウイルスの影響による渡航制限のため中国開催ではなく、中立地のドーハで行われた一戦で、この最終予選初勝利をあげた。日本は、10月7日の第3戦でサウジアラビアとアウェーで対戦する。

日刊スポーツ評論家のセルジオ越後氏が、愛があるからこその辛口分析で、森保ジャパンに迫る。

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中国に助けられたな。相手は監督の采配も含め、思ったよりレベルが低かった。初戦でオマーンに負けて連敗は避けたい日本には、大きなプレゼントだったね。

日本は、アジアでは横綱のはずなのに、まったくそんな気配はなかったな。サイドから攻めることしか頭になく、攻撃のオプションはまるでなし。中央からワンツーパスで抜けるとか、どんどんミドルを打つとか、どうして幅広い攻撃で、相手を苦しめることを考えないのかな。

交代で入った選手が、雰囲気を変えることもなかった。得点力不足は相変わらずで、枠にいくシュートはほとんどない。引いた相手に対し、FKを取ることもできなかった。選手層が薄く、攻撃のバリエーションがなく、セットプレーの得点もなくなった。これじゃ、横綱相撲をとれるわけないよ。

後半は勝ち点を失いたくないから、攻撃も采配も消極的になった。なんでもう1点、2点を取りにいかないのかな。点を取りたいなら、交代でFWを入れるべきだろう。オナイウは何のために呼んだの。最後には得失点差でW杯出場が決まることもあるのにね。エアコンの効いた快適なピッチで、しかも弱い相手に1点差の勝利で喜ぶようじゃダメだね。

次、アウェーのサウジアラビア戦はエアコンがないんだよ。相手は開幕2連勝している。中国戦のような戦いで、勝ち点をくれるかな。サウジ戦が終わると、今度はオーストラリアだ。9月シリーズの戦いから改善がないと、10月シリーズで“終戦”になってしまうかもしれないぞ。

(日刊スポーツ評論家)