日本代表MF久保建英(20=マジョルカ)が膝の負傷で10月のワールドカップ(W杯)アジア最終予選を欠場することが24日、確実になった。

23日に久保が自身のインスタグラムで戦線離脱を明かした。B組4位の日本は10月7、12日にサウジアラビア戦、オーストラリア戦という前半戦のヤマ場を迎える。MF古橋亨梧(28=セルティック)も負傷離脱中、MF伊東純也(28=ゲンク)もサウジ戦は出場停止。久保離脱もあり、日本は28日のメンバー発表を前に、極めて厳しい状況に立たされた。

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久保も呼べなくなった。日本代表のメンバー発表は28日。まだ発表前だったが、主力の自覚からか20歳の久保は負傷による離脱を自らSNSで発信した。22日のレアル・マドリード戦の前半途中に痛めたとみられる。右脚を気にするしぐさをみせ、ハーフタイムで交代を余儀なくされていた。

久保は「試合中のワンプレーで膝をけがしてしまい、少しの間チームを離れることになってしまいました」と現状を報告。全治などは不明。「とても重要な時期にチームと代表の力になれないことはとても悔しいですが、今度はピッチ外から応援したいと思います」ともつづった。

日本は、9月に開幕したW杯アジア最終予選の初戦でつまずいた。ホームで格下のオマーンに敗れた。主力のDF長友が「あり得ない敗戦」というスタート。続く2戦目の中国戦で、森保監督が抜てきしたのが久保と古橋だった。久保は司令塔のトップ下、古橋は2列目の左で先発起用された。エースの南野がけがで離脱し不在だったこともあるが、この思い切ったメンバーの入れ替えが奏功。コロナ禍で、アウェー扱いだった中立地ドーハで勝って、ひと息ついた。

だが、中国戦では不動の右MF伊東が警告を受け、累積により次戦出場停止となった。古橋はその中国戦で膝を負傷し離脱。そして、久保まで…。やっと勝った中国戦で先発した2列目の全員が10月7日のサウジアラビアとのアウェー戦に起用できないとみられる。

欧州視察中の森保監督は22日に「所属クラブのプレーを見て、そこで状態のいい選手を招集することに変わりはない」と話していた。スペイン1部のマジョルカで5戦連続先発起用されるなど状態が良かった久保の不在は痛い。10番を背負う南野は戻ってくるが、攻撃陣の戦力ダウンは確実。森保ジャパンは難敵との2連戦を戦う前から、苦しい状況、大ピンチに追い込まれた。

◆サウジアラビア コートジボワールやモロッコなどの代表チームの指揮官を歴任したフランス人のルナール監督が率いる。2次予選は6勝2分けと負けなしで、最終予選も2連勝。計8勝のうち7勝が3得点以上の勝利となっている。アルヒラル、アルナスルの選手を中心に全員が国内組。連係は抜群で攻撃的なパスサッカーに磨きをかける。前回大会の最終予選で日本守備陣を苦しめたFWのF・ムワラドの突破力は健在だ。日本との過去の対戦成績は通算4勝1分け9敗。

◆オーストラリア 現役時代に広島でプレーし、仙台を指揮したこともあるアーノルド監督が率いる。東京五輪代表監督を兼任しながら2次予選を8戦全勝で突破。最終予選も2試合連続完封勝利で、W杯アジア予選では史上初めて開幕10連勝を達成した。前回大会最終予選の日本戦に出場した主力のFWアーバインらに加え、スピード抜群のFWメイビル、身長200センチのDFサウターも台頭。地上戦、空中戦ともに隙なし。日本との過去の対戦成績は通算7勝9分け9敗。