<アジア大会・男子サッカー:日本3-0中国>◇1次リーグA組◇8日◇中国・広州

 不安定な日中関係の影響が懸念される中で行われた試合。会場周辺では装甲車や自動小銃で武装した警官らによる厳戒態勢が敷かれたが、大きな混乱はなかった。

 広州在住者を中心にした約150人の日本人サポーターは、大半が会場近くからバスに分乗してスタジアム入りし、警官によって中国人ファンから隔離されたスタンドの専用席で観戦した。

 試合前に「君が代」が演奏された際も目立ったブーイングはなく、尖閣諸島付近で9月に起きた漁船衝突事件に絡む反日的なメッセージを掲げた横断幕なども見られなかった。

 大きな騒ぎが起きなかった要因の一つとして、入場券の販売制限が考えられる。会場の天河体育場の収容人員は約5万人。公式発表で入場者数は4万3000人だったが、最高に入った時でも観客席の4分の1ほどは空席だった。また、「南北対決」の韓国-北朝鮮が行われた越秀山体育場でも同様の現象が見られ、客席の3分の2以上が空席だったにもかかわらず、入場券は完売とされた。