日本代表のザッケローニ前監督が、日本での思い出を振り返り、天皇陛下と話す機会があったことなどを明かした。29日付の伊ガゼッタ・デロ・スポルト紙(電子版)に、インタビューが掲載された。

 イタリアのサッカーについて質問を受けた後、日本の話になった。

 -日本での経験に評価点をつけるとすれば

 ザッケローニ

 人間的な面では10点満点。あれ以上のものは得られなかっただろう。サッカー面では9・5点。最後の10日間に、W杯で出せるものがうまく出せなかったため。

 -天皇陛下と握手したというのは本当ですか

 ザッケローニ

 最初で最後の経験だと思うが、とても感動的だった。私たちは天皇陛下が夏にいらっしゃる避暑地の公園にたまたまいた。天皇陛下のご家族が一列になってこちらにいらっしゃり、そこにいた人たちにあいさつをなさった。案内をしていた方が、私がいることを天皇陛下にお話しされたので、私の方へ近づいていらっしゃった。握手のために手を差し出そうとなさったのがわかったので、私も手を出して握手をした。その途端、後ろにいた人たちが感動して泣いていた。それから天皇陛下は私の仕事についてお聞きになり、日本での滞在はどうか、何か必要なことはないかととても親切に聞いてくださった。私が日本での経験について聞かれると、私は日本で第2の人生を送ったと言う。それほど素晴らしい経験だった。

 その後、インタビュアーに頼まれて、箸でご飯やエビをつまんで見せた。すると「わさびがない(笑い)」と笑顔。箸の使い方については「誰も教えてくれなかったので、箸の使い方は覚えたけれど、他人に教えることはできない。でも日本に行って、おなかがすいたので自然と覚えた(笑い)」と明かした。