日本代表の岡田武史監督(52)が、若き才能に「A代表魂」を注入した。20日、静岡県内でU-20(20歳以下)日本代表候補合宿がスタート。岡田監督は初日の練習で「A代表を目指してほしい」「いつでも門を開けている」と激励し、実戦形式のメニューで選手たちの能力を見定めた。今合宿では、実際にW杯予選で使用した分析データなどを用いてミーティングを行う予定。10年W杯本番を見据えた「原石」探しが始まった。
才能あふれる若い選手たちを「子供扱い」するつもりはなかった。合宿初日、ピッチ中央に集まり、全選手とスタッフで円陣を組むと、岡田監督は選手たち1人1人を見渡して言った。「世界では、この世代がA代表に入るのは当たり前。いつでも門を開けて待っている。自分の夢とか目標のスタンダードをもう1段階上げて、A代表やW杯を目指してほしい」。16歳から20歳まで計24人が集う育成合宿を、W杯メンバー候補合宿の雰囲気に変えた。
A代表モードを徹底した。初めてのメンバー構成で計3日間の短期指導となるが、選手には(1)パスを出した後のサポート(2)攻守の素早い切り替え(3)球際の強さという岡田ジャパンのベースを意識させた。チームを計6色のビブスを使って組み分けし、ボールタッチ数を制限しながらミニゲームを実施。A代表の雰囲気を醸し出すためか「パスを出した後に止まるな、遠藤!
あっ、遠藤はいないんだった」と名前を間違えて笑いさえ誘った。
ピッチ上だけではない。関係者によると、実際に日本代表がW杯予選の試合前に使用した分析映像や資料も準備。今合宿のミーティングで再利用する予定で、試合へ向けたチームの取り組み方やコンセプトなどの解説を聞きながら、さながら岡田ジャパンを「疑似体験」する機会になりそうだ。MF大竹が「監督が(A代表候補として)見てくれるのはうれしい」と話せば、FW南条も「みんなうまくて切り替えも速いけれど、おもしろそうです」と闘志をたぎらせた。
現段階でのA代表入りは実力、経験面で難しい。だが、岡田監督は「常に(A代表抜てきが)起こり得る可能性がある。思った以上にやれるな、と感じた」と期待した。21日には流通経大との練習試合で全選手を試す方針。「W杯ベスト4」の秘密兵器を品定めする。【山下健二郎】

