<東アジア選手権(女子):日本2-1韓国>◇13日◇東京・味の素スタジアム

 なでしこジャパンの佐々木則夫監督(51)が、W杯優勝を宣言した。2連勝で韓国と対戦した日本は、前半にFW大野忍(26)と山口麻美(23)のゴールで2-1と快勝。3戦全勝で、08年中国大会に続く2連覇を達成した。代表150試合出場を記録したMF沢穂希(31)が攻守にチームをリードし、大会MVPに輝いた。5月のW杯予選、来年6月のW杯ドイツ大会に弾みをつけた佐々木監督は、「W杯を獲得したい」と言い切った。

 小雨の降るスタンドに、佐々木監督の声が響いた。「本気でW杯を獲得したい。応援よろしく、お願いします」。08年北京五輪4強で、チームは次の目標を世界一に定めた。それを、同監督はサポーターに向けて高らかに宣言した。それだけの力を今大会で見せた。

 急成長の韓国相手に、大野の独走ゴールで先制。2点目は高い位置でDF岩清水がボールを奪い「ショートカウンター」から山口が決めた。台湾戦でゴール前への高速クロスを岩渕が決めたのに続いて、男子代表の岡田監督が目指すものを女子代表が形にした。

 北京五輪以降、10試合負けなし(8勝2分け)。1月のチリ遠征と今大会では若手を積極的に起用しながら白星を重ねた。2ゴールで得点王に輝いた16歳FW岩渕や、3試合フル出場の19歳DF熊谷らが台頭。佐々木監督は「層が厚くなった」と収穫を口にした。

 試合前、代表通算150試合出場で表彰された沢は「自信を持って、W杯予選に臨みたい」と話した。若手の成長でチーム力が増した手ごたえなのか「みんなで取ったMVP」とも言った。ベテランと若手の融合で、たくましさを増したなでしこジャパン。W杯制覇は、もう夢の話ではない。