日本協会の小倉純二会長(72)が26日、難航する次期日本代表監督選びがさらに長引いた場合、新たな方法を採用することを示唆した。この日東アジア連盟総会の北京から帰国した小倉会長は、相手の返事待ちという交渉状況を説明しながらも「10月の2試合は新監督で」と明言。早ければ9月中旬にも、原博実技術委員長(51)に一任している交渉方法を見直す可能性があることを口にした。

 北京から帰国したばかりの小倉会長の表情は真剣だった。「相手にボールは投げたんだから、返事を待つしかない」と苦しい現状を説明した後「それがダメなら白紙に戻すしかない」と続けた。原委員長に任せている交渉をやめ、日本協会が直接乗り出すことを示唆するコメント。「彼ら(技術委員会)の仕事だから」と一任は強調したが、危機感があるのは事実だ。

 9月の2連戦は原委員長の代行監督で乗り切っても、10月の2試合は「新監督で臨みたい」と話した。もともと小倉会長は「今回の決め方は初めてのケース。簡単ではない」と長期化を予想。それだけに、大仁副会長と原委員長への信頼が変わることはないが、限界はある。今の状態が続けば協会の責任も問われる。

 仮に10月も代行で臨むとなれば、サポーターやスポンサー、テレビ局への影響は計り知れない。さらに現段階では今年中に試合予定はなく、ぶっつけ本番でアジア杯(カタール)を迎えなければならない。4位以下だと次大会の予選免除もなし。W杯南アフリカ大会前のように、強化日程にも大きく影響してくる。

 「14年(W杯ブラジル大会)の監督選びだから、慌てる必要はない」と小倉会長は言うが、タイムリミットが迫っているのも事実。10月の試合を新監督で戦うには、9月下旬には契約しなければならない。現在複数人に絞っている候補を見直すか、新たなルートを模索する可能性もある。

 小倉会長は「僕は専門外だし、分からない」と直接乗り出すことを否定するものの、同会長のもとには自薦、他薦を問わず売り込みもある。また、時間が限られることからJクラブ監督にターゲットを切り替えることもできる。「早く決まって欲しいと願っている」と言う会長だが、時間は確実に過ぎていく。