100人以上の監督リストからアルベルト・ザッケローニ氏(57)を選んだ決め手は、温厚な人柄と魅力的な攻撃サッカーだった。人選を一任されていた原博実強化担当技術委員長(51)は、8月に渡欧し、ザッケローニ氏と初めて会った。第一印象は「まじめで誠実に、日本のために仕事してくれると感じた」という。
同監督はこの日の記者会見で「今度の試合で自分がスタメンを組むとしたら?」と聞かれ「日本に着いたばかりで分からないけれど、しっかり見て次に生かしたい」。「ニックネームは?」と聞かれると「イタリアではザックと呼ばれていました。もし日本のファンの皆さんがニックネームを考えてくれるなら、私はそれを覚えます」と、どんな質問にも丁寧に答えた。
原委員長は会見後「あの人の良さはひかれる。だからセリエAでは珍しく、ビッグ3(ACミラン、インテルミラノ、ユベントス)の監督を務められたと思う。普通はしがらみがあったりするから、ライバルチームで監督をした人を呼ぶことは珍しい」と続けた。一方、戦術面では攻撃サッカーを高評価。「組織プラスグラウンドを広く使った大胆なサッカーは魅力十分。今のベースで彼の攻撃力が加われば、もうワンランク上にいけると信じています」と期待を込めた。
原委員長は、昨年秋から次期代表監督人選に着手した。最初の大枠リストは100人以上で、絞り込みの作業を重ね、南アW杯終了後は、20人程度になった。ビエルサ氏、フェルナンデス氏らの可能性が消え、手駒が薄くなりつつあった8月初め、ザッケローニ氏から前向きな話が飛び込んできた。最後はペケルマン氏との一騎打ちになったが、とんとん拍子で交渉が進み、人柄などが決め手となり一気に決着した。
100分の1男・ザッケローニ監督。人格者の下、日本は世界8強へ、スタートする。【盧載鎭】

