<キリンチャレンジ杯:日本2-1グアテマラ>◇7日◇長居

 これぞ新司令塔だ!

 日本代表MF香川真司(21=ドルトムント)が、新生ジャパンの攻撃を完全に仕切った。古巣C大阪の本拠長居で森本の2点目をおぜん立て。正確なパスに切れ味鋭いドリブル、そして、セットプレーのキッカーも務め、万能ぶりをザッケローニ新監督に示した。4日パラグアイ戦ではゴールを決めたが、この日は高い戦術眼を見せつけ、日本の2連勝に貢献。ザックジャパンに不可欠な存在となった。

 何でもできるのが、新時代の司令塔だ。新生ジャパン1号を決めた香川が、また輝いた。前半2分、右サイドの位置からFKでMF本田の頭へドンピシャのボールを送る。前半20分には本田のパスからDFラインの裏へ抜け出し、森本の2点目を演出。相手が引いて守ればスルーパスを狙う。ドリブル、FK、ボールのないところでの動き。すべてに高い能力を見せつけた。

 中田英、名波、中村俊…

 これまで日本代表を支えてきた司令塔は、周囲を生かす“パサー”が多い。香川は違う。7月にC大阪からドイツへ渡り、屈強なブンデスリーガのDFにもまれ、自分の能力を生かすすべも身につけた。

 だが、どんな結果でも内容でも常に反省は忘れない。「納得いかないですね。もっと得点を取れた試合だった。前線の4人の引き出しをもっと増やさないといけない。パラグアイ戦と比べると内容は良くなかった」。謙虚な性格は日本にいるころと変わらない。

 舞台は古巣C大阪の本拠地長居。成長した姿を見せたい人がいた。C大阪時代の約4年半、大阪市内の独身寮で食事のメニューを考案する秀島弘氏(71)がつくる夕食を食べてきた。寮を出てからも、夕食時には寮を訪ね、若手と一緒に食事した。ドイツへ出発する直前の7月上旬、独身寮を訪れ、プロとして栄養管理してくれた秀島氏とがっちり握手。「世話になったな」と秀島氏から言われると涙がこぼれた。抱き合って号泣。父親代わりとなった恩人へ晴れ姿を見せることはできた。

 ドイツへ渡ってわずか2カ月。もう既に中心選手として海外組としての自覚もある。長時間の移動で疲れがあっても、代表でもクラブでも結果を出して当然と期待される。中田英や中村俊が通ってきた道でもある。「飛行機で移動の時間は眠れなければつらい。試合の日程もタイト。でも、それは自分が望んだ道だから。厳しければ、厳しいほど、乗り越えたいと思える」。目標は攻撃的なサッカーを貫き日本代表を最低でも8強へ導くこと。「もう守備的なサッカーで勝っても、仕方ないと思う。攻撃的な日本を見せたい」。新司令塔の目標は果てしなく高い。【奈島宏樹】