G大阪のFW宇佐美貴史(18)が、12年ロンドン五輪を目指す日本代表に「飛び級」で選出される可能性が高まった。五輪代表監督兼任が内定している日本代表の関塚隆コーチ(49)が19日、大阪・万博練習場を訪問し西野監督と会談。五輪代表への招集を打診した模様。宇佐美は1つ下の世代のU-20(20歳以下)W杯出場を狙う代表のエースで、今後は2世代の代表を掛け持ちすることになる。

 ただし五輪代表の本格始動となる11月のアジア大会(中国・広州)は回避し、来年の五輪アジア予選からの合流が現実的。西野監督は「2つのカテゴリー(代表)で世界大会を経験するくらいでないとダメ」と歓迎。一方でG大阪でも主力であることから、アジア大会出場に関しては「招聘(しょうへい)に応じるかどうか…。リーグ戦が佳境に差し掛かる11月に(宇佐美を)抜かれるのは厳しい」と難色を示した。

 この日、宇佐美は18日のC大阪戦で打撲した左太ももの治療のため練習場を訪問。関塚コーチと直接話す機会はなかったが「五輪も出たいし、A代表も意識している。若いだけが取りえなので(代表掛け持ちでの疲労は)問題ないです」と前向きにとらえた。

 10月には来年のU-20W杯アジア最終予選を兼ねたU-19アジア選手権に出場することも内定。さらに来年からMF香川(ドルトムント)らと五輪代表にも帯同する。仮にザッケローニ新監督が宇佐美をA代表に招集すれば、3世代の代表を掛け持ちする可能性まで出てくる。日本の未来を担う高校3年生が、フル回転を強いられそうだ。