日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)が、実戦で原石を探す。親善試合アルゼンチン戦(10月8日、埼玉)に向けた新生ザックジャパンの合宿が10月4日から埼玉県内で行われ、2日間だけU-21(21歳以下)日本代表と合同で行うことが20日、分かった。合同合宿の最終日となる5日か6日には、ザックジャパンVS関塚ジャパンの練習試合を予定。新旧代表の直接対決を通し、自然な形で世代融合を進めていくことになりそうだ。

 アルゼンチンとの華やかな初陣の前に、サバイバルマッチが用意された。日本協会は、ザッケローニ監督の強い要望を受け、A代表とU-21代表の合同合宿、さらに直接対決の練習マッチを設定。21日の代表スタッフ会議で具体的な日程を話し合う。2つの代表が同じ宿舎を使う予定で、試合は10月5日か6日に行われる可能性が高い。

 同監督は「Jリーグはすべてみるつもりだし、代表に入る可能性ある選手を探していくのが、私の仕事です。すべての選手に門戸は広がっている」と、世代融合、世代交代を進めていくことを明言している。視察で気になる選手を招集し、実戦で試す。結果を残す若手はA代表に引き上げ、A代表の壁にはね返された若手は、今後への発奮材料にしてもらい、次にチャンスを与える。代表の座をかけて若手の挑戦を受けるA代表選手も、練習試合といえども気を抜くことはできない。チーム力向上にもつながる、ザック流の代表強化法だ。

 A代表は国際Aマッチデーによる拘束力があるため、招集は難しくない。しかしU-21代表は、拘束力がないため、Jクラブや大学側の理解がないと難しい。そのため、22日の強化担当者会議に、ザッケローニ監督自ら、関塚U-21代表監督とともに、Jクラブの強化担当者へ、選手派遣の協力を呼び掛ける予定だ。

 同監督は「アルゼンチン戦は南アW杯メンバーがベースになるだろう」と言うが、4年後までそのメンバーで戦い抜こうとは思っていない。当面の目標は、来年1月のアジア杯3位以上で、最終目標は4年後のW杯ブラジル大会ベスト8以上だ。原石発掘と競争意識の植え付けに成功すれば、意義ある合同合宿になりそうだ。【盧載鎭】