<サッカー女子U17W杯:韓国3(5PK4)3日本>◇25日(日本時間26日)◇決勝◇トリニダード・トバゴ

 日本が韓国との大激闘の末に、初優勝を逃した。後半12分にFW加藤千佳(16=浦和JY)のゴールで勝ち越したが、同34分に追いつかれると延長戦は両者譲らず。3-3の同点で突入したPK戦に4-5と敗れ、国際サッカー連盟(FIFA)主催の世界大会で、男女を通じて史上初となる世界一の夢も破れた。それでも大会6得点でシルバーボール(最優秀選手2位)を獲得したFW横山久美(17=十文字)ら優秀な選手が多く、2年後のロンドン五輪につながる「世界2位」となった。

 「リトルなでしこ」がつかみかけた世界一の座を、あと1歩のところで逃した。延長戦までの120分を戦い抜いて、両者譲らず3-3。PK戦もサドンデス方式の6人目に突入した。DF村松のキックがゴールバーを直撃する。そして直後の韓国DFチャン・スルギのシュートは、GK平尾が必死に左手を伸ばした上を通過し、ゴールネットに突き刺さった。

 日本は持ち前の攻撃サッカーでライバル韓国を攻め立てた。シュート数37対15。MF田中陽、猶本を中心にパスで中盤を支配し、好機を量産した。しかし、準決勝まで5試合連続ゴールの「切り札」FW横山が徹底マークされ、勝ち越せなかった。吉田監督は「リードした後、チャンスはあったが追加点を奪えなかった、技術的な力は日本が上だった」と悔しがった。

 夢の続きは2年後に残された。準優勝という結果を受け、12年のロンドン五輪で優勝を狙うなでしこジャパン(女子日本代表)の佐々木監督は「この年代(U-17)は技術が高く、クオリティーの高い選手が多い。来年から始まる予選には、何人かはここから呼ぶことも考えられる」と話した。

 日本の世界2位は、99年世界ユース、01年のコンフェデ杯に続いて3度目。男子はこの世代が、その後の日本代表の中核となった。そんな背景を踏まえ、吉田監督は「この悔しさを忘れずに将来なでしこ入りを目指してほしい」。トリニダード・トバゴで流した涙は、ロンドンで大輪の花を咲かせる肥やしになった。