アルベルト・ザッケローニ監督(57)率いる日本代表の合宿2日目の5日、完全非公開の中で紅白戦が行われた。

 初代表の関口訓充(24=仙台)も、本田圭に挑む。4日は宮城銘菓「萩の月」を持参。初々しさを見せたが、ピッチでは別だ。1歳下のエースに対し「(本田圭が3トップの右の場合)定位置争いで勝ちにいく」。挑戦の根拠は(1)ドリブル(2)守備力(3)ビジュアルだ。

 ドリブルは最も得意とする武器。力強さの本田圭に対し、関口は小刻みなステップで切り裂き、キレの鋭さで勝負する。豊富な運動量と攻守の切り替えの速さで守備の貢献度も高い。「ドリブルを防がれたとしても、自分は戻って奪い返せるので」と言い切った。

 そして、ビジュアルでも対抗意識を燃やす。昨季、髪を金色に染め「仙台の貴公子」と呼ばれた男は合流前も「時計を3つ着けていこうかな」。実は時計を1本も持っていないが、2本を着ける本田圭を意識した言葉だ。帝京高で、本田圭の兄弘幸さんの2年後輩という関口は「まず、お兄さんに世話になったって話しかけたい。勝負はそれから」。礼節を持って挑戦状をたたきつける。【木下淳】