【クウェート8日=阿部健吾】MF宇佐美貴史(18=G大阪)が五輪代表デビュー弾で“香川超え”の第1歩をしるす。中東遠征中のU-22(22歳以下)日本代表は、今日9日にクウェート代表と親善試合を迎える。

 8日に会場のモハメド・アル・ハマド競技場で公式練習を実施。紅白戦でFW永井らの主力組に入り左MFで先発が濃厚な宇佐美は、同じ関西出身で、18歳で左MFで五輪代表デビューしたドルトムントMF香川真司(21)について「A代表に上がった時にポジション争いをする相手。壁になる選手」と明言。まずは香川が成せなかった初陣ゴールで「壁」超えを狙う。

 3歳上の日本代表の10番は、憧れではなくライバル。超えるための戦いがクウェート戦で始まる。関塚監督から「サイドハーフで戸惑うことがあると思うけど、長所を出してやってくれ」と託され、左MFでの先発が有力だ。「得点を取りたい。自分にはそれが求められていると思うんで」とゴールを誓う。香川は08年2月20日のグアテマラ戦で北京五輪代表デビューしたが、フル出場して無得点に終わっている。

 「五輪もそうやし、A代表に呼ばれることがあれば(海外スカウトから)見られる機会も多くなると思う。そういう時でもしっかり自分のプレーができるようじゃないと(海外に)行く意味がない」。オフにはドイツの名門バイエルンから練習参加のオファーが届いたが断りを入れた。まずは代表で結果を出すことが先と心得えている。