日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)が12日、母国イタリアに緊急帰国した。イタリア滞在中の家族の意向をくみ、この日急きょ航空便を確保。羽田空港から関空に飛び、中東経由でイタリアに戻る。再来日の予定は未定だが、日本代表スタッフに対し「家族に顔を見せて安心させたら、すぐに(日本に)戻るから」と話し搭乗した。

 イタリア国内でも震災の悲惨な映像が繰り返し流されており、状況を危惧した家族の強い依頼を受け入れ、この日の夕方にイタリア人4人を伴い帰国することを正式決定した。都内の21階建て4階にある自宅マンションにいた11日午後に地震の揺れを体感。イタリアメディアに対し「すべてが波打つのを見た。まるでゴムの家にいるようだった」と恐怖を語っていた。

 イタリアにいる家族とはネット電話「スカイプ」で通話し、無事を伝えていた。この日の帰国の際は日本協会を通じ「今回の震災によって甚大な被害を受けた多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。再来日は未定ですが、またすぐに戻ってきて仕事をしたいと思います」とコメント。モンテネグロ戦(25日、エコパ)、ニュージーランド戦(29日、国立)の2試合の親善試合があり、17日には代表発表を控えるが、出席の可否は未定も、早期の再来日の意向を示した。