ヤットさんの後継者に立候補します!

 来年のロンドン五輪出場を目指すU-22(22歳以下)日本代表の強化合宿が11日、兵庫県内で25人が参加してスタートした。練習の最後にはMF宇佐美貴史(18=G大阪)ら5人が並んでFK練習。宇佐美は、日本代表で右のプレースキッカーを務めるG大阪の先輩、MF遠藤保仁(31)の「技」を“盗んで”いることを明かし、五輪世代不動のキッカーを狙うと誓った。合宿は13日まで行われる。

 気温10度を割る寒さでも、気持ちは熱かった。1時間半の全体練習後、ゴール前にはプレースキッカー候補が集められた。選ばれたのは5人。先陣を切ったのは宇佐美だった。左右45度からFKを次々と蹴り込む。イメージしていたのは、先輩の遠藤のキックだ。

 「ガンバでは絶対的なキッカーがいるので。アドバイスとかはないですけど、(遠藤を)見て学んでいます。フォームや立ち位置、角度とかを見て。代表で自分のものにすれば、ガンバでもチャンスがあると思うので」。

 G大阪では遠藤がいるため、務めることは少ない。だが、2月のU-22中東遠征や3月のウズベキスタン遠征では、DF山本(磐田)とともに任された。だがこの日は、昨年の広州アジア大会で蹴っていたMF水沼(栃木)や、MF清武、DF扇原のC大阪コンビも参戦してきた。3月29日の日本代表で臨んだ慈善試合でも芸術的な先制FKを決めた遠藤という「最高の教材」があるだけに、同世代のライバルには負けられない。

 6月の五輪2次予選は、クウェートとのホーム&アウェーの一発勝負に臨む。限られた時間の中で、最年少18歳には、よりアピールが必要だ。「代表に2回来てますけど、納得できずに帰ったことが多かった。まずは力を出し切りたい」。宇佐美が新たな武器で五輪切符をつかむ。【近間康隆】