南米選手権(7月1日開幕・アルゼンチン)に、大学生を招集する計画が浮上した。海外組の招集は難航しており、若手を中心に最大1人という条件のJ各クラブからの招集も道のりは険しい。この局面を打開するため、ロンドン五輪予選と南米選手権の掛け持ちが可能な大学生にまで招集の門戸を開けた。代表経験もあるMF山村和也(21=流通経大)らが候補に挙がっている。

 南米選手権に大学生が出場する可能性が出てきた。日本協会関係者が18日、明らかにした。海外組とJクラブからの選手招集が難航しており、最終手段として大学生に白羽の矢が立った。既に交渉は進んでいる。協会関係者は「選手招集の難航を受け、大学のチームとも話をしています」と明らかにした。

 現在、日本協会は南米連盟に希望する海外組20人の招集リストを送っている。その中から15人以上招集できることが出場条件になっており、南米連盟がFIFAや選手の所属クラブと交渉を始めている。しかしFW岡崎が所属するシュツットガルトや、DF内田のシャルケなどは既にチームが難色を示しており、出場に向けた課題は多い。

 Jクラブも、若手限定で最大1人のみの招集にすら不快感を示している。東日本大震災の影響で公式戦が7月に6試合入り、代表に選手を送り込む余裕がないのが現状だ。

 海外組とJリーグ選手は、ロンドン五輪予選クウェート戦(6月19、23日)と、南米選手権の掛け持ちはさせない取り決め。しかし大学生はその区分に入っていないため、どちらにも出場できることになる。

 その中で、ロンドン五輪出場を目指すU-22(22歳以下)日本代表に名前を連ねるMF山村、DF比嘉祐介(21=流通経大)らに注目が集まっている。MF山村はJ9クラブがオファーを出した逸材で、昨年1月のアジア杯最終予選でA代表デビュー済み。南アW杯にも帯同しており、経験は申し分ない。DF比嘉はU-22代表に当初から選出され続け、アジア大会優勝メンバーでもある。強豪アルゼンチンと、日本のアマチュア学生リーガーとの対決。この夏、大学生が脚光を浴びることになるかもしれない。