日本代表DF長友佑都(24=インテルミラノ)が、世界に、ザックジャパンに浸透する。スポーツ選手では初のオリコン書籍ランキング1位に輝いた、初の自叙伝「日本男児」(ポプラ社)が、イタリアと韓国でも出版されることが2日、分かった。発行元のポプラ社に、長友の活躍の舞台イタリアと、韓国の複数の出版社から現地語翻訳版での発行申請が来ている。

 日本では5月末までに売り上げ20万部を突破。ポプラ社は東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の全小中学校となる約2000校に各校1冊ずつ寄贈した。被災者も勇気づける長友のサクセスストーリーへの熱視線は、日本だけにとどまらなかった。

 共に日の丸を背負う仲間にもプレーで“熟読”してもらう。この日はランニングで軽めの調整。先月31日早朝に帰国したばかりとあり、前日ペルー戦は後半22分からの出場だった。9月のW杯アジア3次予選までA代表の試合は8月の韓国戦を含め2試合しかないこともあり、7日のチェコ戦は先発することが濃厚だ。世界最高峰で培ったプレースタイル、意識を、仲間に植え付ける使命を感じている。

 「自分が引っ張っていく存在になっていかないと。昨日のペルーにも余裕で勝てる実力がないといけない。代表選手がどんどん盛り上げていかないと、日本サッカー界もよくならない。何度も言ってることだけど、その思いは強いですね」。世界も注目する長友イズムを注ぐ。【由本裕貴】