「カズ・本田」の新旧キングの異色タッグがザックジャパンを進化させる!
サッカー日本代表は3日、7日のキリン杯チェコ戦(日産ス)に備えて横浜市内で練習を行った。1日のペルー戦で見せ場もなく0-0で引き分け、2日にFW本田圭佑(24=CSKAモスクワ)が「まずはシステムより個」と提言。この日、この見解をJ2横浜FCのFWカズ(三浦知良=44)が全面支持した。チェコ戦を観戦することも明かし、その後に欧州組を招いた夕食会で意見交換も行う。本田もカズの「バックアップ」に思いをより強くした。
ザックジャパンの“キング”の声が思わず上ずった。「ホンマっすか!?」。1日のキリン杯ペルー戦を振り返り、前日に「システムに固執しすぎ」と鋭く指摘したFW本田。その考えに同調した人物の名前を聞いたときだった。日本代表に長く君臨した“キング”FWカズだった。
この日、カズは横浜市内の練習場で汗を流した。本田の発言に触れると、「僕は特にそうだよね」と全面支持の姿勢を打ち出した。ペルー戦はテレビ観戦。同じ思いを感じていたに違いない。自身が5試合ぶりの先発が確実な今日4日のJ2東京V戦で、ポジションがFWから左MFに変わる。チームが4-4-2から4-5-1に変更したためだが、「僕はシステムにはこだわらない。やることをやるだけだよ」と話した。
日本代表はペルー戦で、国際試合では初めて前半から3-4-3で戦った。ザッケローニ監督の「代名詞」といわれるシステム。だが、その決まり事に縛られた選手からは積極性が失われた。後半には従来の4-5-1に変更したがシュート数は5本だけ。「前半は窮屈な感じ。もっと良いところが出せる」と指摘していた本田は、カズの同調を受け、あらためて「目的達成まで逆算して、そのために今は個のレベルアップが必要。目的とは試合に勝つこと」と強調した。
カズはこの日、7日のチェコ戦を会場で観戦することも明言。ザックジャパン初観戦。日本代表戦は「久しぶりすぎて覚えてない」と本人が言うほど珍しい。3月には東日本大震災の復興支援目的の慈善試合にJリーグ選抜で出場。ゴールを奪った。同時に肌身をもって現代表の強さを知った。試合後、DF長友に「もう、お前らに代表を任せていいや」と宣言。より強く、世界で勝つ代表になってほしいと切に願う。だからこそ数年ぶりの観戦を決めた。「何でもやるから、ザック呼んでくれないかな」と冗談を飛ばすほど、現代表選手たちへの愛着もある。
本田とカズが顔を突き合わせて意見を交わす可能性も高まった。MF長谷部と連絡を取って日程調整してきた、欧州組との夕食会の開催が正式に決まった。「前日に話してね。場所と日付は内緒だよ」とカズはちゃめっ気たっぷりに笑った。まだ本田の参加は確定ではないが「これから増えるかも」と期待した。
98年W杯フランス大会を目指した日本代表の戦術的な柱だったカズ。年齢とともに個の力が及ばず、本大会直前に落選した。だからこそ、局面では個人能力で得点を奪える重要性を誰よりも知る。その口から「個」の大切さを説く“特別講義”がされれば、本田の提言が他の選手により浸透するはず。個が際立つ2人の合致から、勝つための筋道が見えてくる。【阿部健吾】

