ロッカー室が暑くても問題ない。7日のチェコ戦は東京電力管轄内では震災後初の夜開催。会場となる日産スタジアムは空調を冷房28度に設定し、温度を下げることはしない。政府からは電力需要を抑えるため、15%の節電目標が掲げられている中、サッカー界も協力することになった。

 基本的に、試合を主催する日本サッカー協会が各会場に電力使用について依頼する形となっているが、今回の開催に際してサッカー協会側から「空調はいらない」という申し出があったという。スタッフの控室や本部室については節電の姿勢を示した。選手が利用するロッカー室は快適な温度を提供するつもりだが、当日の天候によっては蒸し暑さが残るかもしれない。

 空調や照明の電気系統は一括コントロールされ、各部屋や通路などの細かい調整は個別に行う必要がある。来場者が快適に観戦できることが前提にあり、観客から「(空調や照明を)つけてください」と依頼されれば作動させる。スタジアム側は各エリアを細かくチェックし、不必要な電力は速やかにオフにする。また、試合後の撤収作業のスピードアップを図り、電力利用を抑える。

 この日の練習も館内の明かりは極力消され、2つある選手用の風呂場も片方は消灯されていた。横浜所属で日産スタジアムを利用しているDF栗原は「普段のロッカーは暑くもなく寒くもなく快適な温度。試合は夜だから気温も下がって大丈夫だと思います」と話す。試合で被災地を勇気づけるだけではなく、節電でも日本を代表する。【加納慎也】