U-22(22歳以下)日本代表に初選出されたJ2愛媛FCのFW斎藤学(21)が、「松田魂」継承を誓った。日本サッカー協会は4日、国際親善試合同エジプト戦(10日、札幌ド)のメンバー22人を発表。斎藤は、昨季まで横浜でともにプレーした元日本代表DF松田直樹さんの死去に衝撃を受けながら、「気持ちを受け継ぐ」と前を向いた。

 小学生から横浜の下部組織で育った。そのころから活躍し続ける姿を間近で見てきた。09年にプロ入りしてからは、より影響を受けた。「戦う姿勢、気持ちの入ったプレー。そこの部分は本当に勉強になった」。時には叱咤(しった)され、時には激励されながら先輩の背中を追ってきた。

 午前中の練習を終え、訃報を聞いた。その後に代表初招集の報。本来は喜びの知らせも、整理はついていない。だが、「前を向いて進まないといけない」と自身を鼓舞する。「どんなときでも戦う」。それが先輩から学んだ「気持ち」だから。

 代表発表会見で、関塚監督は「2次予選の前から見てきた。サイドからのアタック、タフなプレーができるプレーヤー」と期待した。今季加入した愛媛でリーグ7得点でランク2位と躍進。「愛媛のメッシ」の異名も取るなど、成長著しい。「松田さんのおかげでここで戦えてる。(代表でも)100%出して戦う。1回だけじゃなく、これからも呼ばれるように」。五輪出場を目指す気持ちに加わった新たな思い。強気にサイドを突破してゴールを奪うとき、常に偉大な先輩からの教えがともにある。【阿部健吾】

 ◆斎藤学(さいとう・まなぶ)1990年(平2)4月4日、神奈川県生まれ。横浜プライマリースクール、横浜ジュニアユース、横浜ユースと一貫して横浜の下部組織に所属。08年には2種登録でリーグ7試合出場。09年に横浜に入団し、同年3月14日の清水戦でリーグ戦プロ初出場。同年はリーグ戦10試合、10年は5試合に出場し、J1通算23試合得点なし。10年6月5日のナビスコ杯神戸戦でプロ初得点。今季から愛媛に期限付き移籍し、リーグ18試合7得点。U-17日本代表。165センチ、64キロ。