なでしこジャパンが17日、女子W杯ドイツ大会優勝から約1カ月ぶりに再集合した。19日の慈善試合(国立)に向けた東京合宿初日は、女子代表史上初めて一般公開が事前告知され、整理券6000枚が用意されたが、集まったのは879人。MF沢穂希(32)ら代表7人を擁するINACの観客動員記録や、午前中に行われた「東京都栄誉賞・都民スポーツ大賞表彰式」で約2300人が集まったことと比較すると、やや拍子抜けだった。全20人中、FW安藤ら海外組4人を除く16人でスタート。今日18日には首相官邸で国民栄誉賞の表彰式がある。

 あれれ???

 なでしこフィーバーを想定して、西が丘サッカー場での公開練習では女子サッカー界初となる「入場整理券」が、6000枚用意されていたが、大量に余り期待外れに終わった。

 日本協会はパニックを避けるため、これまでの試合では数人だった警備員を、20人配置した。午後5時開始の1時間前。開門時の列に並んでいたのは約60人。報道陣はテレビカメラ13台を含む109人が集まったが、30度を超える炎天下に加え、平日の夕方という悪条件の中、バックスタンドも満員にはならず879人止まり。入場口を担当した警備員も「バックが埋まったら、両方のゴール裏スタンドも開放する準備をしていたのですが…」と困惑の表情を浮かべていた。

 それでもW杯前と比較すれば異例の数ではある。沢が「暑さもありフィジカル的には厳しかったけど、目の前のお客さんにしんどい顔は見せられないなと頑張れました」と話せば、MF川澄は「私たちのために来てくれると思えば意識は高くなる」と笑顔を見せた。

 今回の合宿で使用する都内のホテルでは、「なでしこ専用フロア」を設立。選手たちが部屋着でもお互いの部屋を行き来でき、リラックスしてもらうため、担当の清掃スタッフなど担当従業員もすべて女性に。ホテル集合時には、荷物を運ぶポーターが各選手に付き、部屋まで案内。まさに「VIP待遇」でバックアップしている。

 佐々木監督は「ザックジャパンでもないのに皆さんが来てくれるので、選手も気が引き締まっています。まだまだチケットあるのでお願いします」と慈善試合の観戦を呼び掛けた。すでに指定席は完売。04年4月24日のアテネ五輪予選北朝鮮戦(国立、3-0)で記録した、なでしこ過去最高動員3万1324人更新は確実な情勢だ。フィーバーは慈善試合での再過熱が期待される。【鎌田直秀】