飛び出せ香川!

 日本代表FW香川真司(22=ドルトムント)が、W杯アジア予選の初陣となる北朝鮮戦で、得意の突破力から得点を狙う。29日早朝にドイツから戻り、夕方には精力的に練習に参加した。ザッケローニ監督から約2分間の直接指導を受け、その後の攻撃練習でも同じ2列目の選手らとともに「DFの裏に入るボールに対し、すぐにシュートを打てる体勢を保て!」と指示された。

 2列目からの突破は、香川の最も得意とする得点パターンだ。10日韓国戦でも2得点を挙げている。それでも向上心の高い香川に、油断や慢心はない。

 「(親善試合の)韓国戦と(W杯予選の)北朝鮮戦はまったくの別物だと思う。いかに大きな試合で得点できるか。過去を見てもW杯予選は大苦戦していますし、そんなに簡単に勝たせてはくれない。サイドからどんどんチャンスを作っていきたい」

 前回のW杯予選は3試合(うち先発2試合)しか出場していない。今予選は本田とともに、攻撃の軸として想像を超える期待と、重圧がかかってくる。

 「(W杯予選は)初めてに近い。未知の世界。技術うんぬんではいかないこともある。(北朝鮮は)簡単にスペースを与えてくれないだろうし、どう打開するか…工夫してこの2~3日で攻撃力を高めていきたい」

 注目度が高くなるにつれ、相手からのマークも厳しくなった。ドルトムントでは8月5日の開幕からリーグ全4試合に先発しながら、フル出場は1度もなく、まだ得点もない。マンチェスターUから継続的に獲得調査を受けているが、本領を発揮するまでには至っていない。「まだ100%ではない。もっと(状態を)上げられると思う」。北朝鮮戦から、長い、長いW杯への旅が始まる。【益子浩一】