ロンドン五輪出場権を目指し、U-22(22歳以下)日本代表の合宿が15日、熊本県内で始まった。A代表のMF清武弘嗣(21)は「自分が先頭に立ってやっていければ」と気迫を込めた。同じC大阪のMF山口蛍(20)は、MF扇原貴宏(19)とのダブルボランチを志願し、清武の攻撃力を最大限に生かす「清武シフト」構想を披露。急成長の清武を攻撃の中心に据え、同代表はロンドン五輪アジア最終予選の初戦マレーシア戦(21日=ベアスタ)に臨む。

 A代表で厳しいアジア予選を経験した男が、大きくなって帰ってきた。FW永井に代わり、今やすっかりU-22の顔だ。清武は落ち着いた表情で、最終予選に挑む胸の内を明かした。

 清武

 期待されることはいいこと。責任感を持って頑張っていきたい。練習に対する姿勢を、自分が先頭に立って示していければ。

 A代表との掛け持ちで、Jリーグ、ACLと肉体的には多忙を極める。でも、休みは不要。

 清武

 呼ばれない人も大勢いるわけですし、呼ばれる限り、予選を突破するまで全部出続けたい。

 同時進行での、W杯予選と五輪予選のダブルフル参戦、そして両代表での本戦切符獲得を誓った。

 そんな清武を、チームメートのMF山口、扇原も後方からサポートする。MF山本が負傷で合宿不参加となり、ボランチはMF山村とC大阪コンビの3人だけ。山口は「チームでもやっているし、タカ(扇原)と組むのが一番やりやすい。2人でアピールしたい」と話した。また、チームでも同じシステムで戦うなじみの「清武シフト」を指揮官に直接志願し、エースをサポートしていくつもりだ。

 2人は8月下旬の合宿でも、福岡との練習試合で主力組としてコンビを組んでおり不安はない。扇原も「蛍くんとは2人でバランスを取りながら、違和感なくできる。自分たちが有効な縦パスを出して、キヨくんが前を向いてボールをもらえるようにしたい」。

 この日、空には大きな虹が懸かった。合宿初日の吉兆か。清武は「勝つだけなんで、しっかり勝ちたい」と言った。【福岡吉央】