日本代表が来年2月24日、国内で緊急Aマッチを組むことが16日、分かった。日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(58)の要請で、日本協会が相手探しに着手した。同日は国際Aマッチデーではないため、新戦力を含め国内組だけを集め、実戦でテストする。その後、同29日の14年W杯ブラジル大会アジア3次予選の最終戦・ウズベキスタン戦(豊田スタジアム)は、テストに合格した国内組と欧州組が融合する。代表の底上げを図り、同6月から始まるW杯最終予選に備える。アウェー2連戦を終えた日本代表は16日、平壌から北京経由で帰国した。

 悪夢は繰り返さない。ザッケローニ監督の心配は、北朝鮮戦で現実になった。最終予選に備え、MF香川真司らを外し、控えメンバーを試した日本は、22年ぶりの平壌での一戦で、何もできず0-1で負けた。会場の雰囲気にのまれた感はあるが、あまりにも情けない内容。来日17戦目で初黒星を喫した司令官は、改めてレギュラー組とサブ組の実力差を痛感した。

 日本協会関係者は「以前から監督は、国内組の底上げを考えていた。監督の強い要望があって、来年のウズベキスタン戦の前に強化試合の予定を入れている」。来年2月20日前後に、新戦力を含めた国内組だけを集め、練習を開始し、同24日の実戦で結果を残した国内組だけが生き残るサバイバルマッチとなる。生き残った国内組に加え、直後のウズベキスタン戦は、負傷で長期離脱中のMF本田圭佑ら欧州組が合流し、ベストメンバーで戦う。

 まだ相手は未定だが、国際Aマッチデーではないため、欧州の強豪は呼べない。W杯3次予選ではシリアが失格になったため、苦手とする中東勢との対戦を避け、2試合を残し突破を決めた。しかし最終予選は、同組に中東国が3チーム以上入る可能性がある。日本協会の小倉純二会長は「監督が希望する国と交渉する」と明言。その対策として、クウェート、ヨルダン、サウジアラビアなど中東国を中心に交渉を始めている。

 また、ザッケローニ監督は3-4-3システムへの強いこだわりを持っており、強化試合で試す可能性もある。「状況に応じて自由にシステムを変えることができれば、大きな武器になる。将来的にはそういうチームにしたい」と話しており、年明けから本格的に試すことが考えられる。

 同時期は、J各クラブが新シーズンに向けてのチームづくりの仕上げの段階で、同22日にはロンドン五輪のマレーシア戦(アウェー)も組まれている。原博実強化担当技術委員長は「各クラブの強化担当者としっかり話します」。J各クラブを説得するため、毎年恒例の正月代表合宿を来年は行わないことを決めた。

 W杯への最終関門に挑む来年、ザックジャパンはチーム底上げから着手する。