日本代表が、来年10月に約10日間の欧州遠征を計画していることが19日、分かった。アルベルト・ザッケローニ監督(58)の強い要望で、日本協会が検討に入っていた。来年6月から始まる14年W杯ブラジル大会アジア最終予選で、日本が同10月に試合が組み込まれないことがこのほど判明。現在、遠征地選定を進めており、同12、16日には欧州などの強国との強化試合も計画している。

 ザックジャパンが、初めて世界へ羽ばたく。来年10月8日から約10日間、欧州遠征する方針が固まった。ザッケローニ監督は、今年1月のアジア杯(カタール・ドーハ)終了後から「チーム強化のために、海外で強いチームとやりたい」と日本協会に要請していたが、それがようやく実現することになった。既にJリーグの了承も得ており、同時期にリーグ戦は行われない。

 日本協会幹部は「日程調整が難しかったが、来年10月に日程が空いた」。W杯アジア最終予選は、10カ国が2組に分かれてリーグ戦を戦う。1組5チームのため、必ず各節1チームは試合がない。同予選で日本はFIFAランク上位でAシードになることが確実。このほど、日本協会がアジアサッカー連盟(AFC)に問い合わせた結果、同10月16日がAシード国の休み日と判明したため、この時期に欧州遠征を計画した。

 現在、合宿地選定に入っており、ザッケローニ監督の母国イタリアやオランダ、フランスなどが候補として挙がっている。今月初めには、代表チーム部の幹部が欧州に飛び、視察を行った。近日中に同監督もイタリアに帰国。約1カ月半、欧州に滞在する予定で、その間、監督自ら候補地を選定する可能性もある。

 さらに欧州合宿中に、強化試合を2試合計画している。代表関係者は「欧州の強国を中心に相手国を探しているが、場合によっては南米チームと対戦する可能性もある。南米の強国代表選手はほとんど欧州でプレーしているから、選手を集めることはそんなに難しくない」と話した。

 来年10月は12日と16日が国際Aマッチデーで、オランダ、フランス、ブラジル、モンテネグロ、コロンビアなどが日程上可能性があり、今後交渉に入る。まだアフリカ大陸のW杯予選日程が発表されていないが、発表を待ってアフリカ勢との試合を入れることも考えられる。

 国内戦では得られないものがある。観光気分で来日した時差ぼけの“強国”に勝っても、充実感はあまりない。しかし舞台がサッカーの本場なら、話は別だ。惨敗したら修正点が、勝ったら自信が得られる。W杯での大きな収穫へ、ザックジャパンが欧州でさらに強くなる。