なでしこジャパンが“陸の孤島”で24時間サッカー漬けになる。チームは2日、5日のブラジル戦(ホームズ)に備えて仙台から大阪へ移動。この日から3日間の予定で、堺市内のナショナルトレーニングセンター「J-GREEN堺」内にオープンした宿泊施設「ドリームキャンプ」で合宿に入った。練習場の真横に施設があり、24時間入浴可能。3食付きの「なでしこ御一行様プラン」でコンディションを整え、ロンドン五輪への準備を進める。

 寝ても覚めてもサッカー漬けだ。朝起きてカーテンを開ければ日差しが差し込むピッチが見える。宿舎には代表メンバー23人全員が1度に入れる大浴場があり、24時間入浴が可能だ。屋外には足湯も完備されており、隣接するクラブハウスにはトレーニングジムもある。食堂も貸し切りで使えるため、選手同士がミーティングを行うこともできる。なでしこジャパンが、そんな最高の環境でコンディションを整え、5日のブラジル戦に挑む。

 前日1日にオープンした宿泊施設「ドリームキャンプ」はJ-GREEN堺内にある。公共交通機関はバスなどだけで、まさに“陸の孤島”だ。敷地内にはコンビニはなく、娯楽は部屋のテレビくらい。サッカーに集中するにはもってこいの環境で、佐々木則夫監督(53)はオープンしたばかりの宿泊施設をフル活用し、チームのレベルアップを図る。

 MF川澄奈穂美(26=INAC神戸)は「サッカーに集中するにはいい環境。大きなお風呂に入れるのはリラックスもできるしうれしい。タイミングが合えばほかの選手とも一緒に入ります」。MF宮間も「とても充実した施設。足湯もよく見てみます」と興味津々で、MF阪口は「お風呂で足を伸ばしてお湯につかれるのがうれしい」と笑顔を見せた。

 なでしこジャパンが海外組も含めたベストメンバーで国内合宿を行うのは昨年8月以来。当時も合宿地の岡山・湯郷温泉で疲れを癒やし、同9月に中国で行われた五輪アジア最終予選を突破した。今回も選手たちがサッカー漬けの生活を送り、裸のコミュニケーションを図ることでチームの絆が強まることは確実。FIFAランク3位日本に対して4位のブラジルとは過去2勝1分け2敗と互角だが、ピッチ内外でチームの連係を深め、世界の強豪を打ち砕く。【福岡吉央】

 ◆J-GREEN堺

 10年4月にオープンした堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター。堺市が大阪府と日本サッカー協会の支援を受けて整備した日本最大級のスポーツレクリエーション施設で、サッカー場14面とフットサルコート8面、陸上トラックなどを完備している。