ロンドン五輪出場を決めた関塚ジャパンが、9日から3日間の予定で行う国内合宿(場所は未定)で、J1で首位を走る仙台と練習試合を行うことが5日、分かった。守備が堅い仙台は五輪本番を見据えた上でも格好の相手。18人の登録メンバー入りを目指す国内組にとって、関塚隆監督(51)に生き残りを直接アピールできる大きなチャンスとなる。

 J1で唯一開幕から4連勝し、首位を走る仙台との練習試合(会場は未定)が急きょ決まった。ロンドン五輪出場を目指す国内組には、格好の登竜門になる。仙台はFW柳沢、MF関口、GK林ら元日本代表が所属し、自慢の堅守とショートカウンターを武器に、リーグ最多の9得点、リーグ最少タイの2失点。攻守のバランスが良く、チームのコンディションは非常に高い。五輪代表にとって最高の対戦相手と言える。

 関係者によると、仙台戦は合宿最終日の11日に行われる予定。試合は非公開ではなく、スタンドに観客を入れて一般のファンにも開放することが検討されているという。

 国際サッカー連盟(FIFA)は3月の理事会で、23歳以下の選手が各国の五輪代表に選ばれた場合、所属クラブに対し、派遣を義務化することを決定した。これまで、五輪予選は選手の招集に拘束力がある国際Aマッチデー以外の日に行われてきたため、海外組を呼べず、五輪代表は国内組を中心に戦ってきた。だが、FIFAが今回の決定を下したことで、各選手の所属先クラブが招集に応じられない明確な理由がない限り、五輪本番ではA代表以外の海外組が招集される可能性は十分にある。

 海外クラブに所属する23歳以下の主な選手としては、アジア予選にも出場したFW大津(ボルシアMG)、DF酒井(シュツットガルト)をはじめ、MF香川(ドルトムント)、MF宇佐美(Bミュンヘン)、FW宮市(ボルトン)、FW指宿(セビージャ・アトレチコ)らがいる。豊富なタレントに加えて、五輪本番での出場枠は、五輪予選時の21人から、18人へと縮小される。国内組にとってはますます競争が激しくなる。

 それだけに、当落選上にある国内組にとって仙台戦は、7月に予定の五輪メンバー発表を前にアピールできる、またとないチャンス。特に海外組が多い攻撃陣はメンバー争いが激化することが予想される。この仙台との強化マッチが、五輪メンバー入りへ非常に重要なポイントになる。