ロンドン五輪代表候補のMF高木善朗(19=ユトレヒト)が、生き残りをかけてスパイ役を買って出る。23日からのトゥーロン国際大会(フランス)に出場するU-23日本代表に初招集され、20日に全体練習に臨んだ。

 五輪1次リーグ2戦目の相手はモロッコ。実は、トゥーロン国際でも予選を勝ち抜けば対戦する可能性がある。そのモロッコには、同じオランダでプレーする選手が5人いる。中でもMFアヌアル・カリはチームメート。高木は「個人技がある選手が多い。足元でパスをつなぐのがうまい。知ってるからいいこともある」と、モロッコサッカーのスタイルをチームメートに広めるつもりだ。

 昨年6月から欧州生活をしており、オランダ語も徐々に上達している。「サッカーの言葉はだいぶ分かってきた。今日もプレー中に、つい出そうになった」。トゥーロン国際では、25日の2戦目にオランダと対決する。「聞き耳立てますよ。ちょっとは分かると思う」と、相手の戦術も“盗聴”する作戦を明かした。

 この日のPK練習では5回すべて成功。初日からアピール全開だ。「自分の良さを出して、チームとしても個人としても結果につなげたい」。ピッチ内外でフル稼働する。【由本裕貴】