<W杯アジア最終予選:日本1-0イラク>◇B組◇11日◇埼玉

 イラク代表のジーコ監督(59)が、日本の成長に目を細めた。日本代表を率いて06年W杯ドイツ大会出場後「世界と渡り合うためには、もっとフィジカルを強化すべきだ」との言葉を言い残して、日本を離れた。この日、敵将として日本と対戦した同監督は、個々の成長を感じ取ったという。

 ジーコ監督

 私が日本代表監督をした4年間、代表選手は7回骨折している。今パッと思い出すだけで、小野が2回、柳沢と稲本が1回ずつ、骨折して代表に呼べなかった。でも今の日本代表はフィジカル的にかなり上達している。多くの選手が欧州でプレーしていて食事なども現地で適応しながら体を作っている。日ごろから体が強い選手たちと互角に渡り合う状況を自然と作っている。長友は今日、90分戦ったけど、これからさらに90分やれといわれれば、できるくらいのフィジカルがある。

 第2の故郷に錦を飾ることはできなかった。レギュラー格5人の合流が遅れたことなどもあり、思い切って若手を多く起用した。スタメンの平均年齢は22・9歳と、ほぼ五輪年代だ。それでもカウンターで日本を脅かすなど、アウェーで0-1の惜敗。「若手の多くをAマッチデビューさせるくらい、チーム状況はよくない。でも、今日デビューした若手は今後のイラクサッカーを引っ張る逸材ばかりで、今後が楽しみだ」と強がった。

 来年6月には、ホームで日本を迎え撃つジーコ・イラク。進化を遂げれば、ザックジャパンにとって、やっかいな存在になりそうだ。【盧載鎭】

 ◆元日本代表監督との対戦

 今回のジーコ監督の例が初めて。トルシエ監督(98~02年)は日本代表監督を退任した後、カタールとモロッコの代表監督を務めたが、在任期間中に日本代表との対戦はなかった。日本代表監督を務める前では、オシム監督(06~07年)がユーゴスラビアのクラブチーム、パルチザン・ベオグラードの監督として91年7月に来日し、横山謙三監督が率いた日本代表と2試合対戦(Cマッチ認定)。日本はFWカズ、MFラモスらが奮闘も、1戦目が1-1、2戦目が0-1の通算1分け1敗だった。

 ◆イラクの先発

 直近のW杯最終予選、6月12日のオマーン戦(ホーム)に先発して、この日の日本戦も先発したのは、MFムトゥハナのみ。FWアラーは、オマーン戦では途中出場。この日途中出場したFWユーニスら3人は、オマーン戦で先発出場している。