リトルなでしこが「富士山スピリット」で頂点を目指す。U-17(17歳以下)女子W杯アゼルバイジャン大会(22日~10月13日)に備え、静岡県内で合宿中の日本代表は16日、実戦練習などで汗を流した。メンバー21人中、主力のFW増矢、主将MF成宮ら7人がJFAアカデミー福島所属。震災による原発事故でJヴィレッジが使用できなくなり、静岡県内に本拠地を移転して活動を続けている。増矢は今大会を「お世話になった人たちに恩返しできるチャンス」と位置付ける。

 7月30日には、メンバーで富士山の7合目まで登った。夕暮れまで約6時間、急勾配なでこぼこ道や回り道を歩き続けた。増矢は「険しい道のりを何時間もかけて登り、やっとの思いで頂上に行ける。サッカーも苦しい練習や試合をすることでうまくなって、頂上に行くことができる」と感じた。次は山頂制覇を計画中だ。

 15年女子W杯カナダ大会、16年リオ五輪では中心戦力として期待される世代。先日のU-20女子W杯では、OGのMF田中陽子(INAC神戸)の活躍にも刺激を受けた。女子サッカーの未来を担うリトルなでしこが、金メダルという御来光を拝む。【由本裕貴】