<U-17女子W杯:日本5-0ブラジル>◇23日◇1次リーグ◇バクー

 「リトルなでしこ」が南米の強豪ブラジルを破った。日本は1次リーグ初戦でブラジルと対戦し、快勝発進した。前半にエースFW増矢理花(17=JFAアカデミー福島)が2ゴール。後半にも主将のMF成宮唯(17=JFAアカデミー福島)の2得点などで突き放した。ロンドン五輪銀メダルのなでしこジャパン、U-20W杯銅メダルのヤングなでしこのフィーバーに続き、妹分も最高のスタートを切った。

 本人もビックリのゴールだ。前半2分、MF長谷川のクロスをGKがはじくと、増矢の目の前にボールが転がってきた。すかさず左足で押し込むと、目を見開き驚いた表情で仲間とハイタッチした。17分には長谷川の華麗なヒールパスを受けて抜けだすと、今度は右足で強烈なシュートで2点目。後半には成宮、MF杉田も決めてブラジルを圧倒した。吉田弘監督(54)は「始まってすぐに点が取れて、それで楽になった」と増矢の先制点をたたえた。

 増矢が所属するJFAアカデミー福島は昨年3月の震災後、本拠地Jヴィレッジ(楢葉町)を離れ、静岡・御殿場市内で活動を続ける。増矢は7月末に富士山に登り、険しい山道に「サッカーも苦しい練習や試合をすることでうまくなって、頂上に行くことができる」と刺激を受けた。成宮ら代表7人が同アカデミー所属。苦難を乗り越えてきた魂を胸に、大会初制覇を目指す。

 ◆増矢理花(ますや・りか)1995年(平7)9月14日、徳島県生まれ。小1の時に兄の影響でサッカーを始める。静岡・三島長陵高に通学。好きな選手は香川(マンチェスターU)と岡崎(シュツットガルト)。160センチ、52キロ。