【ドーハ(カタール)10日=栗田成芳】当たる!

 前田の「都市伝説」!

 日本代表はW杯アジア最終予選オマーン戦(14日、マスカット)に向け、ドーハ市内のスタジアムで、国内組のみの練習を行った。1トップでの先発が濃厚なFW前田遼一(31=磐田)は、Jリーグで自身のシーズン初ゴールを決めた相手が、5年連続でJ2に降格する“神話”を持つ。同予選で初ゴールを決めた相手もオマーン。対中東は8戦6発の前田が、伝説とともにアウェーの難敵に引導を渡す。

 スタジアムの外から流れるコーランが、前田の「都市伝説」を予感させているようだった。W杯予選初の中東でのアウェー戦を前に、気持ちは落ち着いている。「コンディションは問題ない」。相手は同予選初戦(6月3日)でゴールを決めているオマーンだ。「準備をしてゴールを取れるように頑張るだけ」と意気込むが、前田の初ゴールにまつわる神話がある。

 Jリーグで07年以降、シーズン初ゴールを決めた相手は、その年J2に降格している。5年連続で続き、今季初ゴールを決めたG大阪は現在16位で残留争い。その効果に対し、ついに今月放送されたバラエティー番組の中で「都市伝説」として紹介。伝説通りとなればオマーンは今予選で姿を消すことになる。

 本人の耳にも入っているが「聞いたことはあるけど『ふ~ん』という感じ」。もっともチームのために力を尽くしている結果だ。「ジュビロでも代表でもチームが勝てるように。そのために点が取れるように頑張る」。相手を蹴落とすためではなく、すべてはチームのため。そのスタイルは変わらない。対中東は8戦6発と抜群の相性。今回は敵地だが「日本でやるよりも暑さがあるから気をつけたい。冷房も使いすぎないで控える」と冷静。伝説の裏には隠された努力と、チームを勝利に導く信念がある。