日本サッカー協会は10日、東アジア杯(20日開幕、韓国)に出場するなでしこジャパンのメンバー23人を発表した。左足付け根の痛みで6月の欧州遠征に参加しなかったMF澤穂希(34=INAC神戸)は再び外れた。都内で会見した佐々木則夫監督は、澤が外れたことについて「代表とクラブ双方のリスクを考えた時に、9月の親善試合に向けて調整してくれということになった」と説明。一方でケガで離脱していたFW高瀬らが復帰した。

 そんな中、佐々木監督は若手に出場機会を与えるため、試合ごとにがらりとスタメンを変える「ターンオーバー制」の導入を明言した。2戦目の北朝鮮戦と最終戦の韓国戦の間は中1日。「2チーム作れるメンバーを招集した。最終戦は中1日ですし、体調を考慮してターンオーバーもできる」。実現すれば、埋もれている戦力の発見につながる。例えば6月の欧州遠征で出場時間の少なかったFW岩渕は、アピールの機会を待ち望む。澤不在の守備的MFには、欧州遠征で試したDF熊谷の起用もある。また、田中や上尾野辺、宇津木ら「ポスト澤」の座を狙う若手にもチャンスだ。

 欧米やアジアのレベルは、目を見張る勢いで上がっている。欧州遠征では1分け1敗という結果。なでしこのようにボールを動かすサッカーを仕掛けてくるため、佐々木監督は「以前のレベルでは効果的にボールを奪えない」。ボールを奪い縦への速攻につなげる質を上げるためにも、東アジア杯では大胆な実験が必要になってくる。【千葉修宏】