【ソウル(韓国)23日】ハマのメッシから日本のメッシへ-。日本代表FW斎藤学(23=横浜)が得意のドリブルで代表生き残り弾を狙う。明日25日のオーストラリア戦で左MFとして先発が濃厚。世代別代表での思い出が詰まった韓国の地で、長身ぞろいの相手から代表初ゴールを決め、ザックジャパンのドリブラー枠に名乗りを上げる。

 ついにチャンスがめぐってきた。北朝鮮との国境に近いソウル北部にある坡州(パジュ)ナショナルフットボールセンター(NFC)。時おり小雨が降る中、斎藤は主力組の左MFとしてプレー。持ち前の俊敏な動きで、明日25日のオーストラリア戦に備えた。

 「どこまでできるか楽しみ。チームの決まり事を守りながら、自分の良さのドリブルを仕掛けてたい」

 21日の中国戦は後半途中出場。納得のプレーはできなかったが、次戦は先発が濃厚で「(先発すれば)相手との駆け引きが生まれてくるので、最初からしっかり仕掛けができれば」と、プランを思い描いた。

 身長差も気にしない。斎藤は今回の代表の中で最も低い169センチ。相手には197センチのDFコーンスウェートをはじめ、長身ぞろいだが「スピードや俊敏性で違いを出していければいいと思う」。足の長い相手をスピードに乗ったドリブルで抜き去るつもりだ。

 韓国は思い出の地だ。今回、代表の練習が行われている坡州NFCは、06年U-17W杯アジア1次予選韓国戦で同点ゴールを決め、チームを救った場所。韓国で開催された07年U-17W杯では2試合に出場。世界を肌で感じて成長した。

 ザックジャパンには、ドリブルが得意で途中起用されることが多いMF乾がいる。今回招集されているFW原口もライバルだ。だが現在、所属クラブで得点をあげれば10連勝中、18戦負けなしの持ってる男はザックジャパンの切り札の座を狙い、まずは代表初ゴールで“ドリブラー枠”の新候補に名乗り出る。【福岡吉央】