【坡州(韓国)24日】なでしこジャパンFW大儀見優季(26=チェルシー)が、今日25日の北朝鮮戦で代表100試合目を迎える。節目を前にした24日も、普段通りの準備を行った。15分1本の紅白戦で汗を流した後は、いつものように自主練習。男子顔負けの力強いシュートを次々にゴールへ蹴り込んだ。気負いはなく「この試合を迎えることを幸せに思います」。笑顔で宿舎へのバスに乗り込んだ。

 9年前の04年4月22日。16歳の時に、アテネ五輪最終予選のタイ戦で代表デビューした。当時について「あのころはひどかったですね」と笑う。感情を制御できず、言葉で気持ちを表現することも苦手だった。「全部態度に出ちゃう。代表選手としてはあってはいけない姿だった」。そんな自分を受け入れてくれたのが代表の先輩たち。心身ともに成長した今、感謝を忘れずピッチに立つ。

 通算得点数は45。あと3点で歴代2位の長峯(元鈴与清水)に並ぶ。「目指すなら1位を目指したいです」。だが、それ以上に優先するのがチームの勝利だ。理想のプレーを変えてでも、勝ちにこだわる。

 常々話すのは「ゴールに近い位置でボールを受け、前を向いて勝負がしたい」。だが最近は対戦相手の強力なプレスに、MF陣からパスが出てこない場合も多い。そんな時は近くまで下がってボールを受け、自ら試合を組み立てる。「自分がチームで求められているのはゴールだけじゃない」。プレーの幅を広げた大儀見が、自らの記念日を勝利で飾る。【千葉修宏】