生まれも育ちも大阪の日本代表FW柿谷曜一朗(23=C大阪)が、今日6日のグアテマラ戦(長居)で地元弾を狙う。自身初となる大阪での代表戦は1トップで先発濃厚。生中継する日本テレビも異例の「柿谷専用カメラ」を用意する予定で、一挙手一投足が全国に流される。C大阪勢としては、02年W杯でのFW森島寛晃以来となる長居での得点を決めて1トップの座を死守する。

 慣れ親しんだ長居のピッチで、はやる気持ちを抑えた。地元での一戦を翌日に控えた柿谷は、代表選手として初めて足を踏み入れた本拠地で、芝の感触を確かめ、ゴール前で丁寧にシュートを繰り返した。

 「いつも通りやるだけです。相手どうこうではなく、自分たちの時間帯がつくれて、自分たちのサッカーができれば通用するものはある。もちろん得点もそうだが、しっかり準備してやれることをやりたい。勝つことが大事」

 7月の東アジア杯で代表デビューを果たしたばかりだが、新たな1トップとして3試合3得点と注目度は増すばかり。グアテマラ戦では、生中継する日テレが柿谷専用カメラを用意することも判明。関係者は「裏に抜け出す動きをとらえたり、ファーストタッチをしっかり収めたい」と明かした。かつて代表では1トップの選手が相手の裏に抜け出す得点機会はあまりなかったが、柿谷の特長が専用カメラで茶の間に伝えられる。

 C大阪の選手が本拠地長居での代表戦でゴールを決めれば、02年6月14日のW杯日韓大会1次リーグ・チュニジア戦のFW森島寛晃以来11年ぶり。入場券は完売し、大阪市内の金券ショップで定価8000円の席に1・5倍の値が付くなど、地元での注目度も高い。

 柿谷は、長居では6得点を挙げており「C大阪といえば長居。ここでゴールを決めた時のサポーターの盛り上がりが好き」と話す。C大阪で今季、エース番号8を背負って初めて得点を決めたのも長居での開幕新潟戦。昨年6月には清武のニュルンベルク移籍前最後の試合で終了間際に同点弾を決め、引き分けに持ち込んだ。次は代表として初となる地元での一戦。ここぞの試合にめっぽう強い男はグアテマラ戦でもゴールを決め、W杯出場への道を自ら切り開く。【福岡吉央】