“本田トライアングル”で、アフリカンパワーを撃破する!

 ザックジャパンは今日10日にガーナと対戦。アフリカ勢との対戦は初めてとなる。前日9日に試合会場の横浜国際で行われた公式練習では、トップ下に入るMF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)が操る、左のFW香川真司(24=マンチェスターU)FW柿谷曜一朗(23=C大阪)との連係を確認した。来年のW杯でもアフリカ勢と同組に入る可能性は高く、本番を見据えたテストマッチになる。

 本田が操る。「お疲れっす」と不敵な笑みを浮かべながら取材ゾーンを通り過ぎた本田が、ガーナ戦でトップ下に入る可能性が高まった。6日の格下グアテマラ戦ではベンチスタートだったが、ザックジャパン発足後、初めて戦うアフリカ勢。前日に行われた公式練習では、約1時間半に及び入念に動きを確認した。

 本番を見据え、重要な戦いになる。来年のW杯1次リーグは大陸別に振り分けられ、アフリカ勢と同組に入る可能性は必然的に高まる。6月のコンフェデ杯では、南米ブラジル、欧州イタリア、北中米メキシコと戦ってきた。残るはアフリカ。その強靱(きょうじん)な肉体から繰り出されるフィジカルを、試合の中で体感する絶好の機会だ。

 屈強なパワーを最大の武器にする相手をどう崩すのか。その中心には、やはり本田。左サイドの香川、1トップの柿谷とともに、ガーナを攻め込む。前日会見で「フィジカルでまさる相手に的を絞らせないようにしたい。極力フィジカルコンタクトを避ける戦いをしたい」と語ったザッケローニ監督は、前日までのミーティングでこう指示した。「トライアングルをつくって攻めろ。相手は身体能力が高いから、1対1で仕掛けるのでなく、シンプルな動きが重要。ワンツーから3人目が動きだす。せまいスペースから崩しきれ!」

 ザックの指示に呼応するように、香川は言った。「3人目が生きてくる。どこでパスが欲しいのか?

 どこに出せばいいのか?

 しゃべらなくてもフィーリングで分かる」。海外組との出場がまだ2試合の柿谷も「真正面からぶつかってはダメ」。パワーを受け流してすり抜ける。本田を起点として、3人が織りなす連係からフィニッシュの的を絞らせない。

 ここまで2戦連発と波に乗る本田自身、対アフリカに進化の跡を残す。北京五輪世代での代表では3戦不発に終わっている。それがA代表では最近4戦2発。10年W杯南アフリカ大会カメルーン戦以来のゴールに期待が高まるのは、ロシアを主戦場としてぶれない体を身につけた成果でもある。代表にとって13年最後の国内戦。本田が操るトライアングルが、横浜の夜に光る。【栗田成芳】