監督の期待に応えたい!

 なでしこジャパンは25日、千葉・フクダ電子アリーナで今日26日のナイジェリア戦に向けた公式練習を行った。U-19日本代表も兼任するFW田中美南(19)は、不調から所属する日テレで先発から離れているが、佐々木則夫監督(55)の「期待枠」で招集された。各世代で代表を経験し、今年3月のアルガルベ杯でA代表デビュー戦ゴールを決めた田中が、ナイジェリア戦を復調のきっかけにする。

 うれしさとふがいなさがこみ上げ、田中は両手で顔を覆った。「できないことばかりなのに、代表に呼んでもらった。期待に応えたい」。前日練習後の取材ゾーン。指揮官の期待と気遣いに、悩める19歳は人目をはばからず、涙を流した。それは決意の表れでもあった。

 所属チームの日テレでは、9月に入って3試合全て先発外。相手のマークを外す動きや、そこからシュートまでの動作。その1つ1つでミスが重なり、自信を失っていった。「今になってあらわになってきた。頭の問題だと思う。何ができていないかはわかっている」。自分に言い聞かせるように繰り返した。

 もがき続ける田中を、佐々木監督は「僕自身はU-19で代表(なでしこ)に一番近い選手だと思っている。だから彼女へのアプローチの声は自然と高くなる。もちろん期待している」と評価している。U-19世代から飛び級で舞台を用意された田中は「ここ(代表)にきていいアドバイスをもらえた。それに近づいていけるようにしたい」と言った。アフリカ王者を相手に、本来の動きを取り戻せるか注目される。【桑原亮】