セルビア(11日、ノビサド)、ベラルーシ(15日、ジョジナ)との国際親善試合に挑む日本代表の国内組が6日、成田空港から欧州遠征に出発した。フルメンバーでの海外遠征に初めて挑むFW柿谷曜一朗(23=C大阪)は、採寸したオーダーメードの代表スーツが間に合わず、サイズの違う大きめの借り物で出発。アウェーでの2試合で結果を残し、マイスーツとレギュラーの座をゲットする。海外組は現地合流の予定。

 伊丹空港に現れた柿谷のスーツは、ちょっぴり大きめだった。C大阪の細身のスーツと比べ、特に股下がダボダボ…。隣にいた同僚MF山口はジャストサイズ。日本代表の公式スーツは英国のブランド、ダンヒル。柿谷もダンヒル製を着用していたが「オレのじゃないんで。借り物。だいぶデカい。もっと細いのが届いた時に選ばれるようにしたい」と代表定着を誓った。

 柿谷は7月の東アジア杯や8、9月の国内での国際親善試合招集時には、C大阪の夏服で合宿に参加しており、遠征で代表のスーツを着るのは今回が初めて。同じ7月にA代表デビューを飾った山口はロンドン五輪代表だった昨年、日本協会で既に採寸を行っていたため、柿谷よりも先に代表用のオーダーメードスーツが届いた。だが、9月の代表戦後に採寸した柿谷のスーツが届くのは11月の予定で、今回は借り物での遠征参加となった。

 7月の東アジア杯では、移動便の時間の都合で格安航空会社(LCC)のエコノミークラスで韓国入り。今回は念願のビジネスクラスで「ええとこ座れるみたいなんで、ゆっくりしたい」。ベストメンバーでの海外遠征参加は今回が初めてで「(東欧は)行ったことないけど楽しみ。ホームでもアウェーでも同じ力が出せるようにしたい」。

 柿谷は9月の代表戦後、ザッケローニ監督からは個別に守備時の前線からのプレスのかけ方について細かく指示を受けたという。指揮官はW杯代表について年内をメドに固める意向。柿谷にとっては、海外組が勢ぞろいする今遠征で結果を残すことが生き残りへの絶対条件だ。マイスーツでの遠征参加を新たな目標に、代表1トップの座へと上り詰める。【福岡吉央】