【マスカット(オマーン)11日=木下淳】U-21(21歳以下)日本代表の手倉森誠監督(46)が、挑発に優勝宣言で応酬した。スルタン・カブース・スタジアムで行われたU-22アジア選手権の公式会見に出席。16年リオデジャネイロ五輪を狙う1歳下の代で出場することを「弱腰」と指摘され「リオへの準備をしながら勝ってみせる」と返した。日本は12日の1次リーグ初戦でイランと対戦する。

 代表監督として初の海外会見。手倉森監督は、いきなり地元オマーンのメディアから挑発された。「1歳下の年代で来るなんて、優勝を諦めたとしか思えないが」。22歳以下で争う新設の今大会に、日本はリオ五輪世代の21歳以下で臨んでいる。それを「弱腰」と指摘されると、こう返した。

 手倉森監督

 優勝を目指してますよ。リオへの準備をしながら勝ってみせる。1歳下にしたのは、経験を積ませるため。ただの「経験」じゃない。「勝つ経験」を積ませるために来た。

 初采配での優勝を宣言した背景には、12日に戦うイランの無気力さもあった。アファゼリ監督が会見に遅刻してきた上、マイクを握るや「イランはシーズン中で選手を呼べなかった。2軍を連れてきた」と発言。登録23人中17人が、同国内クラブのBチームに所属している選手だと明かした。

 これに手倉森監督は「イランが、いらんこと言った」と熱くなった。自身にもシーズンオフの日本が若い世代で臨む不安はあるが「俺は一切の言い訳をしない。消極的なイランには、是が非でも勝たなければ」と初戦に勝つ理由が増えた。

 額面通りに受け取らないことも強調し「情報戦を仕掛けてきたのかもしれない。これが世界なんだな」と実感。国際舞台の雰囲気に気持ちを高ぶらせていた。