彩花の分まで-。3月のラ・マンガ国際(スペイン)に出場するU-23日本女子代表の国内合宿が25日、千葉県内で行われた。2度の左膝手術から完全復活を期す常盤木学園高(宮城)出身のFW京川舞(20=INAC神戸)は、なでしこジャパンとの紅白戦でも得点につながるプレーを披露。ケガで離脱した高校、クラブの後輩でもあるFW道上彩花(19)の思いも背負って戦うつもりだ。

 かつての輝きを取り戻す。2日連続で行われたなでしこジャパンとの紅白戦。3本すべてに出場した京川は2トップに入った2本目の14分、右クロスに合わせてMF柴田(浦和)のゴールをお膳立てした。12年3月、アルガルベ杯(ポルトガル)で鮮烈なA代表デビューを飾るも、その後は苦しんだ。同年5月に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。昨年4月にも左膝の半月板を損傷して手術を受けた。「自分に足りないところがあるから、そこに立てていない。ネガティブには捉えていません」と話すが、なでしこジャパンの“練習相手”という現在地に悔しさは募る。

 ラ・マンガ国際は故障からの回復を証明し、A代表復帰への足掛かりとするには格好の舞台だ。自分1人のためだけではない。今大会のメンバー選考を兼ねていた2月のなでしこチャレンジキャンプで道上が右膝の前十字靱帯を断裂。「高校からずっと一緒にやってきたし、自分も同じケガをしたから気持ちは痛いほど分かる。彩花が自分も頑張ろうと思えるように、この大会で結果を残したい」と、先輩として復活ロードを体現する覚悟を示した。

 この日は常にMF入江(仙台レディース)とペアを組んでトレーニング。会ったのは2月の合宿が初めてだが、京都の病院で左膝のリハビリ中に日ノ本学園のサッカー部員と一緒にメニューをこなした縁から仲がいいという。「出た試合は全部点を取る。優勝目指して頑張りたい」。国際舞台で、再び京川舞の名をとどろかせる。【亀山泰宏】

 ◆京川舞(きょうかわ・まい)1993年(平5)12月28日、茨城県小美玉市生まれ。小学2年から堅倉スポーツ少年団、石岡レディース、KASHIMAレディースを経て常盤木学園に入学。11年にU-19アジア選手権でMVPと得点王を獲得。同年のチャレンジリーグEASTでも得点王に輝いた。12年にINAC神戸へ入団すると開幕から4試合で5ゴールを量産。昨季はリーグ戦出場6試合で1得点。161センチ、52キロ。血液型A。