アギレジャパンが、明日24日にも誕生する。日本サッカー協会の原博実専務理事(55)が22日、海外でハビエル・アギレ氏(55)と交渉し、日本代表監督の就任に向けたすべての条件面で合意した。24日に東京・文京区のJFAハウスで開かれる理事会で、各理事に報告し、その後正式に発表される見込み。18年W杯ロシア大会までを基本とし、まずは2年契約の年俸180万ユーロ(約2億5200万円)で契約を結ぶ。同氏は今月中に来日し、就任会見を開く。(金銭は推定)

 2カ月に及ぶ長い交渉が実を結んだ。日本協会が、アギレ氏と金銭面を含めたすべての条件で合意した。現在、日本を離れている原専務理事が契約をまとめ、早ければ今日23日にも帰国し、24日に開かれる理事会で報告する。その後、正式に発表される見通しだ。

 原専務理事は出発前に「理事会で報告できればいいけれど、それまでにまとまらなかったとしても、慌てて交渉するつもりはない」と言っていたが、早期決着したようだ。アギレ氏も近日中に来日する予定で、今月中には都内のホテルで就任会見に臨む。

 アギレ氏は、4年前にもリストアップされていたが、優先順位が1番ではなかったことで出遅れ、さらに予算面での開きがあったことなどから、正式オファーに発展しなかった。しかし4年間、日本協会の業績が上がったことで財源が確保され、いち早くエージェント会社を介して、積極的にアピールするなど、優先的に交渉を進めてきた。

 8月1日から次回のW杯ロシア大会までの4年間、指揮を任せる予定だが、まずは2年間の契約を結び、その後、さらに2年間の契約延長オプションを付ける予定だ。最初の2年間で、大きな問題がない限り、2年後には契約延長が自動的に実行される。

 アギレ氏は、自分の型に選手をはめず、柔軟な戦術で選手の能力を最大限に引き出す知将で知られる。7通りの戦術を持つともいわれるが、譲らないのはフィジカル、特に体力がベースになることだ。11人が連動し、最前線から激しいプレスをかけるため、体力のない選手は、代表に生き残れない。

 今月中に就任会見に臨む同氏は1度日本を離れ、8月中旬に再び来日し、初代アギレジャパンのメンバーを発表する。初陣は、9月5日のウルグアイ戦(札幌ド)が予定されており、同9日にはベネズエラ戦(横浜国際)と、日本が苦手とする南米勢2連戦が用意された。初のメキシコ人監督に導かれ、日本は次のW杯へ向けて動きだす。

 ◆ハビエル・アギレ

 1958年12月1日、メキシコ市生まれ。両親がスペインからの移民で、本人の愛称はスペイン・バスク地方の人を意味する「El

 Vasco(エル・バスコ)」。現役時代はクラブ・アメリカ(メキシコ)やオサスナ(スペイン)などでMFやDFとしてプレー。メキシコ代表としても59試合に出場し14得点をマーク。指導者としてはAマドリードなどを経て、12-13年シーズン途中からエスパニョールの監督に就任。代表チームはメキシコを2度率いたことがあり、02年W杯日韓大会、10年南ア大会でともに16強に進出した。