アギレジャパンにいきなり試練だ。ハビエル・アギレ監督(55)が、就任半年でW杯アジア予選を戦うことが25日、濃厚となった。18年W杯ロシア大会に向けたアジア2次予選が、来年3月23~31日に2試合組み込まれる可能性が高いことが判明した。今年からアジアサッカー連盟(AFC)のW杯予選システムが変わり、シード国・日本の出場が通常より6カ月以上も早くなった。アギレ体制は、年内の親善試合6戦、来年1月のアジア杯を経て、過酷な予選に突入する。

 日本協会が衝撃的な事実を入手した。このほど、水面下でAFC関係者にW杯予選の日程などを問い合わせたところ、日本を含めたシード国が登場する2次予選は、来年3月から始まる可能性が高い、という情報をキャッチした。通常、シード国は、W杯終了の1年後から登場していたが、今回からは大会システムが変わり、シード国の試合数増が影響し、日本代表が出場する時期が半年も前倒しになる見通しだ。

 アギレ新監督は8月中旬に来日し、9月1日から本格始動する。すでに日本代表戦は映像で数試合チェックしているが、それ以上の情報はない。来日後は精力的にJリーグを視察する予定だ。9、10、11月に親善試合が2試合ずつ入る予定で、来年1月のアジア杯(オーストラリア)が終わると、3月からは予選に突入するため、新戦力を試す機会は限られる。

 アギレ新監督は選手、コーチ、監督としてW杯を4度経験し、スペインでクラブチームを率いた実績はあるが、アジアでの挑戦は初めて。アギレ新監督は交渉がまとまった後、原専務理事に「オレの経験を伝える」と自信を見せていた。しかし、アジアには他の大陸にない独特な事情がある。面積が広く、長距離移動や時差、気温、湿度など天候の違いなど、ピッチ外の難題が多い。さらに治安に不安がある国もある。2次予選は格下が相手にはなるが、これら外的要素が勝負を左右する可能性は十分にある。

 さらに、選手のコンディションをいかに合わせるかも問題だ。来年3月は、Jリーグは開幕直後だが、欧州リーグはシーズン終盤に差し掛かる。ザッケローニ監督は合宿の度に「選手のコンディションがバラバラ」と嘆いていた。代表選手の多くが自国リーグでプレーするメキシコ代表とは大きく事情が違う。

 原専務理事は前日(24日)の会見で「(ザック体制で)攻撃サッカーと言う割には、W杯で2点しか取れなかった」と発言していた。アギレ新監督には当然、得点を求めていく。しかも2次予選の格下相手なら、圧勝が期待されるのは当然のことだ。アジア杯を連覇し、間髪入れずに始まるW杯ロシア大会のアジア2次予選でも圧勝発進して初めて、その手腕が評価される。