J2磐田のGK牲川(にえかわ)歩見(20)が21日、9月に開幕する仁川アジア大会(韓国)のU-21(21歳以下)日本代表に選出された。2年後のリオデジャネイロ五輪への1歩となる舞台。日本にとっても連覇のかかる大会となる。牲川は「A代表もアジアを制している。重圧を楽しんで力に変えて、行くからには出場できるように頑張りたい」と、意欲を示した。

 194センチの長身を生かしたハイボールの対応に加え、1対1の強さが武器となる。磐田に加入して2年目。チームでは、ブラジル人選手をはじめ、W杯の出場経験がある駒野友一(33)松井大輔(33)ら世界に通用するシュートやFKを受けてきた。肌で感じた経験が常に牲川を成長させてきた。「ジュビロで各選手のたけたシュートを受けて、練習できている実感はある。自信を持って自分のパフォーマンスを出して連覇に貢献できれば」とチームを支える気持ちを口にした。

 常に年代別代表に招集されてきた。しかし昨夏のU-19スペイン遠征で、右ひざ前十字靱帯(じんたい)と半月板を損傷し、長期離脱を経験した。約10カ月のリハビリを経て、7月にJ3のU-22選抜として公式戦デビュー。今回の手倉森ジャパンのメンバー入りは、故障を乗り越えてつかんだリオ五輪への道だ。

 牲川

 ロンドン五輪を見て、自分もこうなりたいと。自分にもその可能性があると思うし、自分が成長しないとそこにはいけないけど、可能性がある限り目指していきたい。

 磐田の若き長身GKは、アジア舞台で活躍するイメージを膨らませた。【岩田千代巳】