アギーレ新監督率いる日本代表の初陣となる親善試合ウルグアイ戦(9月5日、札幌ド)、ベネズエラ戦(同9日、横浜国際)にブンデスリーガ1部ヘルタのFW原口元気(23)が招集される。クラブ関係者が22日、既に招集確定を告げるレターが届いたことを明らかにした。W杯ブラジル大会のメンバーから落選し、渡独した高速ドリブラーが、新生日本代表の攻撃陣を活性化させる。

 浦和で育ち、ドイツでもまれている高速ドリブラーがアギーレジャパンのアクセントになる。ヘルタ関係者によると、この日までに9月の親善試合2試合の招集確定を告げるレターがクラブに届いたという。故障などがなければ、原口が新生日本代表に招集される。

 ハビエル・アギーレ監督(55)は来日後、Jリーグと天皇杯を視察。海外組などはビデオで状態をチェックしている。既に3回行われた代表スタッフ会議では28日のメンバー発表を控え、活発な意見交換が続いていた。発表までに時間がないため、メンバーの絞り込みが進んでいる。

 日本協会の霜田技術委員も21日の会議後「現時点では、取り入れたいシステムに対し、どの選手が合うかを話している状況」と明言。アギーレ監督は4-3-3を基本布陣にする意向で、原口は得意の3トップの左サイドで持ち味を発揮するチャンスだ。

 ザックジャパンには何度も招集されたが、W杯ブラジル大会では落選。その後、4年後のW杯ロシア大会を視野に入れヘルタ移籍を決断した。6月末の渡独の際には「(W杯をテレビで見て)自分があの場所にいないのが悔しかった。海外でもまれないと。半年後、1年後に自分が日本代表になっていなければ」と決意表明。そのわずか2カ月後に日本代表入りを決めた。

 ヘルタでは移籍後、初の公式戦となる15日のドイツ杯1回戦ビクトリア・ケルン戦に先発。公式戦初ゴールをマークし、チームの勝利に貢献した。23日のブンデスリーガ開幕ブレーメン戦にも先発する可能性が高い。現在の勢いを維持しながら、アギーレジャパン初陣に乗り込む。

 本田、香川、岡崎、大迫、柿谷ら前線のW杯メンバーのライバルがひしめくが、ドリブルという武器をアギーレ監督にアピールし、不動の地位を築くための第1歩にする。

 ◆原口元気(はらぐち・げんき)1991年(平3)5月9日、埼玉県生まれ。中学進学と同時に、浦和ジュニアユースに所属。09年開幕戦にスタメンでJリーグデビュー。4月の名古屋戦でクラブ日本人最年少(17歳11カ月3日)でゴールを決めた。11年10月に日本代表デビュー。今年6月にヘルタへ完全移籍した。177センチ、63キロ。