マンチェスターUのMF香川真司(25)がアギーレジャパン初陣を再浮上の舞台にする。日本協会からマンチェスターUに日本代表の親善試合ウルグアイ戦(9月5日・札幌ド)、ベネズエラ戦(同9日・横浜国際)への招集確定を意味するレターが送付されていたことが25日、明らかになった。マンチェスターUではリーグ開幕から2試合連続で不出場と苦しい状況に陥っている香川だが、ハビエル・アギーレ新監督(55)のもとで復調へのきっかけをつかむ。

 W杯ブラジル大会の屈辱、マンチェスターUでの苦境…。厳しい状況の香川が、アギーレジャパン初陣のウルグアイ戦を再浮上への第1歩にする。日本協会が招集レターをマンチェスターUに送付したことで、香川の新生日本代表への招集が確実となった。

 ファンハール監督体制になったマンチェスターUでもリーグ開幕戦から2試合連続でベンチ入りしながら不出場。得意とするトップ下にはスペイン代表MFマタがおり、アルゼンチン代表MFディマリアの獲得も決定的。攻撃的なポジションのライバルは多い。

 プレシーズンの米国遠征ではボランチにも挑戦した。だが、24日のサンダーランド戦後にファンハール監督から「米国で同じポジション(ボランチ)を香川で試したが、彼は私の希望と哲学を満たすことができなかった。前にも話したが、彼はより10番的(な選手)だ」とボランチとしてダメ出しされた。トップ下のライバル、マタは現時点では不動なだけに、26日のイングランドリーグ杯で好プレーを示すことができなければ、さらに苦境となる。

 この状況下だからこそ、アギーレジャパンの一員として臨む2試合でピッチに立つことが、試合勘や自信を取り戻すキッカケになる可能性はある。マンチェスターUと日本代表はチームもメンバーも異なる。それでも、試合に出て、結果を残すことが選手にとっては一番大きいことだからだ。

 香川はW杯終了後のオフが明け、マンチェスターUに合流するため渡欧する際に「新鮮でワクワクした気持ちが生まれている。結果をつかむのは自分次第。昨季はW杯があって、そういう(W杯への)考えがあったが、今は新たなチャレンジ。そういう気持ちになれて楽しみ」と話していた。

 日本代表もアギーレ新体制のもと、新たな4年間の戦いに船出する。香川にとってもポジションが約束されているわけではない。日本にとっての第1歩が、香川にとっても苦境打開への第1歩になる。