最初からアクセル全開だ!

 アギーレジャパンの9月の国際親善試合の代表メンバーに選出された新潟DF松原健(21)が、スタメン獲得に向けて意気込んだ。代表発表から一夜明けた29日、今日30日のG大阪戦に向けて新潟市内で練習。愛車が国産のスポーツカーという車好きの21歳は、初招集に驚きつつ、9月1日の合宿初日から持ち味の運動量で競争に挑むと宣言した。

 代表初招集の吉報から一夜明けても実感が湧かなかった。松原は「ビックリの一言。むしろ(代表戦を)見に行きたいと思っていた」と笑みを浮かべた。21日にU-21代表の仁川アジア大会メンバーから落選。「力が足りない。本当に必要なら選ばれる」と落ち込んでいただけに驚きは大きかった。

 U-17から各年代の代表に選ばれてきた松原の持ち味は豊富な運動量だ。幼少から走るのが得意で小学時代はマラソン大会で優勝を重ねた。プロ入り後は、私生活でも“走り”続けている。愛車はトヨタとスバルが共同開発したスバルのBRZ(メーカー希望小売価格212万~297万円)のマニュアル車。ストレス解消法はドライブ、好きな映画は「ワイルド・スピード」、好きな漫画は「頭文字D」という大の車好き。チームメートには、モーターレース運転席のギアチェンジ映像を食い入るように見る姿をしばしば目撃されている。

 「1試合(90分)で1人あたり約2分がボールを持つ。それ以外の88分に何をしているか」と言うほど、走る選手を好むアギーレ監督に選出されたが、弱点?

 はちょっと人見知りなところ。U-21代表でも一緒にプレーするFW鈴木は「終盤でもオーバーラップできる体力はすごい」と、運動量には太鼓判を押しつつ「でも遠慮するから心配。みんなで『食事では本田圭佑の隣に座れば?』って言ったら『無理!』って答えてました」と笑った。

 だが、日本代表では人見知りなんてしていられない。1日から始まる代表合宿に向けて「ベンチで指をくわえて見ているのは面白くない。スタメンを奪うぐらいやらないと競争に負けちゃうと思うので、遠慮は絶対しない。失うものは何もない。気持ちで頑張りたい」と力強く言った。今日30日のG大阪戦も「フワフワしているようでは足をすくわれる。気が引き締まりました」。日本代表のレギュラー獲得へ一気にアクセルを踏み込んでいく。【桑原亮】

 ◆松原健(まつばら・けん)1993年(平5)2月16日、大分・宇佐市生まれ。6歳でサッカーを始め、高1で大分ユース入り。U-17で初めて日本代表入り、U-17W杯ではMF柴崎(鹿島)らと出場。以後、U-18、19と各世代の代表に名を連ねU-21ではU-22アジア選手権出場。今季、新潟に期限付きで移籍。180センチ、70キロ。家族は両親と兄。右利き。血液型AB。年俸580万円(金額は推定)。