本田はミランと同じ3トップの右サイドで勝負する。FW本田圭佑(28=ACミラン)が2日、惨敗したW杯ブラジル大会後、初の帰国。そのまま合宿2日目の新生日本代表に合流した。4-3-3を基本陣形に掲げるアギーレジャパンでも、所属のミランと同じく3トップの右サイドに入った。クロスからのシュート練習では、右サイドに入り左右両足で感触を確かめた。

 本田が日本代表でもサバイバルレースのスタートを切った。クロスからのシュート練習で、本田は主に右サイドに入ることを想定したFW岡崎、MF森岡、柴崎、DF酒井宏、松原とともに右足でクロスを上げ続けた。単純な練習の中にも、右足でキックフェイントを入れての左足クロス。そして近くにいたコーチを股ぬきしてからのクロスと、遊びを交えつつ感触を確かめた。

 会見でアギーレ監督が話していた通り、基本陣形は4-3-3となる見込み。本田は日本代表でもミランと同じ3トップの右サイドで、生き残りをかけることとなる。クラブと同じポジションで起用される可能性が高いことを問われると「その可能性は十分あると思う。ミランでは1日1日、結果を出すためにやっている。それを評価されて選ばれたということ。しっかりと両方で結果を出したい」と競争を歓迎した。

 アギーレ監督はどの選手も横一線だと強調する。代表だけでなく、本田はすでに厳しい生存競争にさらされている。欧州では夏の移籍期間が終了。ミランはFWのフェルナンドトレスら前線で数人の戦力補強は完了した。開幕戦で先発の座を勝ち取り、先制ゴールを決めたが新戦力が台頭すれば先発は安泰ではない。「自分自身、改革は始まったばかり。変わった姿を見せていきたい」と飛躍を誓った。

 新千歳空港では居合わせたファンが殺到。転倒する人がいるほどの混乱となった。練習場では最後にピッチに姿を現すと、一番の歓声が上がった。「いい雰囲気。ミランでは変なプレーをすると、とんでもないことになるので」と笑った。代表で地位は安泰ではないが、経験、実績から引っ張る存在であることは確かだ。「責任感は自分1人じゃなく全員に必要なこと。厳しいことを言う必要があれば言うし、必要ないなら状況に応じればいい。持っているものをチームに還元したい」。新しい日本代表とともに、本田も再スタートを切る。【高橋悟史】